衝撃のニュースである。男子テニス世界ランキング１位のカルロス・アルカラス（スペイン／22歳）が12月17日に自身の公式SNSを更新し、約７年にわたり苦楽を共にしてきたホアン・カルロス・フェレーロ氏（スペイン／45歳）とのコーチ契約を解消したと発表した。

　アルカラスとフェレーロ氏は2018年にタッグを結成。同氏の指導の下、アルカラスは21年の「ネクストジェンATPファイナルズ」（21歳以下の男子シーズン最終戦）を制し、四大大会６勝とマスターズ８勝など24ものツアータイトルを獲得。さらには今年を含む２度の年間ランキング１位も経験した。

　今回アルカラスはインスタグラムとXを通じ、母国語のスペイン語で次のように記している。

「この投稿を書くのは本当に難しいことです。７年以上を共に過ごした後、ファンキ（フェレーロ氏の愛称）と私は、コーチと選手としての関係に区切りをつける決断をしました。子どもの頃からの夢を現実にしてくれて、本当にありがとう。私がまだ少年だった頃にあなたとの道を歩み始め、コート内外で信じられないような旅を共にしてきました。あなたと過ごした全ての時間を、心から楽しんできました。

　私たちは頂点に到達しました。もし別々の道を歩むとしたら、これまで努力を重ね、共に目指してきたその場所に立った状態でそうするべきだと思います。数え切れない思い出があり、とても１つには絞れません。あなたは私をアスリートとしてだけでなく、人としても大きく成長させてくれました。私が最も大切にしているのは、その過程そのものを楽しめたということです。共に歩んだ旅を、私は決して忘れません。

　今は、私たち双方にとって変化の時であり、新たな冒険やプロジェクトの始まりの時でもあります。互いにこれまでと同じようにそれらに全力で取り組み、正しい形で向き合っていけると確信しています。今後のあなたの成功を心から願うとともに、共に全力を尽くしてきたことを誇りに思っています」
  　一方のフェレーロ氏もインスタグラムで感謝の言葉を綴っている。

「今日という日は、言葉で表すのが簡単ではない、難しい１日です。別れを告げることは決して容易ではありません。特にこれだけ多くの共有した経験があると、なおさらです。私たちは懸命に働きながら共に成長し、忘れられない瞬間を分かち合ってきました。信頼や努力、そしてあなたの戦い方そのものが、私に特別な感情を与えてくれたことに感謝しています。

　プロとして、そして人としても、あなたの今後の幸運を心から願っています。本当はまだ関係を続けられたら良かったですが、良い思い出と人々は、いつか必ず再び交差するものだと信じています。本当にありがとう」

　なお現時点でアルカラスは、今季開幕前に第２コーチとしてチームに招聘し、先日フェレーロ氏と共に「2025年ATP最優秀コーチ賞」を受賞したサミュエル・ロペス氏との契約は継続予定。絶頂期に大胆な決断を下した22歳のさらなる成功と幸多き未来を願いたい。

文●中村光佑

【画像】決別を発表したアルカラスとフェレーロのそれぞれのSNS投稿

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