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錦織圭とフェデラーが必ずやっている、バックハンドの鉄板アクション【テニスレッスン】

スマッシュ編集部

2020.04.21

錦織圭(左)とフェデラー(右)のバックハンドは片手と両手の違いはあるが、共通点もある。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

錦織圭(左)とフェデラー(右)のバックハンドは片手と両手の違いはあるが、共通点もある。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 38歳にして完璧なプレーを持続するフェデラー、小柄な体格で世界のトップと渡り合う錦織。2人のテニスをよく知れば、上達のヒントをつかめるに違いない。フォアハンドに続いて、2人が共通して実践するバックハンドの“鉄板アクション”から重要な基本を導き出そう。全日本選手権複優勝などの実績を持つ佐藤文平氏が、教えてくれた。

 フェデラーは片手打ちで、錦織圭は両手打ちだが、両者に共通する部分は多いと言う。まずはテイクバック。「ラケット面を少し相手の方に向けています。こうすると引きすぎを防げると同時に、ボールが飛んでくる軌道に合わせて面をセットできるので、インパクトを正確に合わせやすくなります」

「また、ラケットを立て気味にしているのも大事なポイントです。引いた時にラケットが立っていれば、始動の段階で自然とヘッドが落ちるので、腕をリラックスさせてスイングに入ることができます」

 テイクバックでの共通点がもう1つ。「アゴを右肩の上に乗せるようにしている点です。つまり身体は横を、顔は前を向いているわけで、それだけ深く上体をひねっている証しです。バックはフォアに比べて動きが制限されますが、その中で大きなパワーを出すには、身体のひねりを最大限に作ることが求められます。『アゴを右肩に乗せる』意識を持てば、それを簡単に実践できるので、試してみてください」
 
 続いては、体重移動の時の共通点。「体重移動をする時に注意したいのが右ヒザの向きです。真横でも前でもなく、時計で言うと10時ぐらいに向けるのがポイント。この角度だと、左足の力を右足の内側で受けることができ、パワーを最大限に乗せられるのです。右ヒザが横向き(9時)だと、腕が窮屈になって振り切れません。前向き(12時)だと、右足の外側に体重が乗って、力が逃げてしまいます」

 バックハンドでの最後の共通点はインパクトにある。「インパクトでは、ラケット面をほぼ垂直に立ててボールを捉えるのが基本です。フラットはもちろん、トップスピン系でもそう。スピンは面を伏せて打つと思われがちですが、実際は、当たる瞬間はほぼ真っすぐです。そうすることでボールを厚く捉えられ、パワーが伝わるのです」

 フェデラーと錦織が共通して行なっているアクションをイメージできただろうか。片手でも両手でも、必ず実行したいポイントは同じ。自分のフォームを思い出して確認してみよう。

解説=佐藤文平
早稲田大学時代にインカレを制し、卒業後プロ転向。ワールドチームカップ日本代表、全日本選手権複優勝などの実績を残す。現在はテニス中継の解説者、HALEOテニスディビジョン統括ディレクターなどを務める傍ら、日体大大学院博士後期課程でスポーツバイオメカニクスを研究中。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年3月号から抜粋・再編集

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