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海外テニス

「まるで映画のシナリオのよう」ジュニア時代から20年以上続く、ジョコビッチとマリーの激しくも美しいライバル関係

東真奈美

2020.06.02

時にはトレーニングを共にするほど仲の良いジョコビッチ(左)とマリー(右)。(C)GettyImages

時にはトレーニングを共にするほど仲の良いジョコビッチ(左)とマリー(右)。(C)GettyImages

 ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、そしてアンディー・マリー。テニスにさほど興味のない人でも、この4人の名は聞いたことがあるだろう。男子プロテニス界で抜群の成績を残し、人気、実力共に他の追随を許さず、BIG4と呼ばれていた。

 うち年若の、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)とアンディー・マリー(イギリス)は、2人とも1987年、5月生まれで誕生日は1週間違い、身長もほぼ同じ。共に、右利きでバックハンドストロークは両手打ちだ。試合のスタイルもよく似ている。どちらも防御力に優れており、かつアグレッシブなプレーもできる、そして最高のリターナーだ。

 これまでの多くのジュニア選手たちと同様に、2人はプロ転向以前よりライバルとして競い、成長してきた。しかし、そうした子どもたちが成長後も活躍を続け、彼らのように世界の頂点の座を奪い合う、などという例は、これまでほぼ無かったと言ってもいいだろう。彼らの誕生月である5月の末、ATP(男子プロテニス協会)が2人のライバル関係について特集した。
 
 ジョコビッチとマリーは11歳で初対戦した後、20年以上経った今でも素晴らしい友情を保ち続けている。さらにそれだけではなく、観る人を虜にしてしまうほど鮮やかで、言語に絶する試合を繰り広げてきた。
    
 彼らの対戦のほとんどは、大舞台での、息をのむような接戦ばかりだった。これまで36回顔を合わせ、うち33回がグランドスラム、ATPマスターズ1000、オリンピックなどのビッグトーナメントでのもの。さらにそのうち18回が決勝での対戦だというから驚きだ。「(ジョコビッチに)勝つためには最高のテニスをしなければならない。それができたとしても、常に勝つのは困難。そのくらい難しい相手だ」と、マリーはかつて語っていた。

 20年以上にわたるライバル関係の最大の瞬間は、2016年のATP ファイナルズだった。勝者がその年の最終ランキング1位を獲得することが約束される大切な試合だ。

 マリーは、その前週に初めて世界ランキング1位の座に就いていた。その時ジョコビッチは「マリーと自分は、とても幼い頃からお互いを知っている。しかし、過去12カ月間の彼のレベルアップぶりは尋常ではなかった」 と話していた。
 
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