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国内テニス

"プロ転向時の決断が大事"グランドスラム予選出場までランキングを上げるためにすべきことを、守屋宏紀がアドバイス【男子テニス】

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2020.06.16

今年30歳になる守屋が、プロ転向時を振り返って話してくれた。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

今年30歳になる守屋が、プロ転向時を振り返って話してくれた。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 プロテニス選手になったなら、当面の目標はグランドスラム予選に出場することだろう。そのランキングはだいたい200位前半。どうすれば、そこまでたどり着くことができるのか。日本ナンバー1ジュニアとしてプロに転向し、今季は全豪予選決勝まで進んだ守屋宏紀(北日本物産)に、経験を踏まえて話してもらった。

 まずは出場する大会について。プロになったばかりの時は、右も左もわからない状況である。そんな中で、金銭的にも気持ち的にも行きやすいのはアジア圏の大会だ。しかし、そこに慣れて足踏みしていてはいけない。

「知っている人が誰かいて、安心できるというのは僕もあった経験なので、気持ちはわかりますが」と若手の気持ちに寄り添いながらも、「何年か何カ月かやってみて、うまくいかなかったり、勝てないのであれば、違うところにトライした方がいいと思います。外からの刺激を常に入れるようにした方がいいです」と、力強く言った。
 
 プロに転向してすぐの時期は、全てが手探りの状態だ。守屋自身「アジアの行きやすい所を選びがち」だったそうだが、その時に欲しかった情報は、「例えばここの近くで何週か大会が続くから行ってみるいいとか、会場にジムがあるから、コーチやトレーナーと一緒に行くといい」など、試合の回り方のアドバイスだと言う。守屋は本村剛一プロに話を聞ける機会があり、助かったそうだが、多くの若手にとって、相談できるプロが近くにいるとは限らない。

「拠点とか、道しるべを示してくれる人だったり、そういう環境があればいいと思います。(日本テニス協会が)ナショナルチームをサポートするのはトップの選手が主ですが、彼らはある程度金銭面で安定しています。大きな大会にコーチを派遣することにお金をかけるより、もっと大会を作ったり、(若手と)遠征に一緒に行くことなどに力を入れてほしいですね」と、今後の日本テニス協会による若手へのサポートの必要性を語った。

 ヨーロッパではどうしているのだろうか。日本と比べてチャレンジャー大会が多いため、若手にワイルドカードが回ってきやすいことは想像できる。大会に出場できればプロと会えるため話を聞ける機会を得られるだろう。2019年で比較すると日本はチャレンジャーが3大会なのに対し、イタリアでは18大会開催されている。
 

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