専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

自在の展開力でゲームメークした天才少女、ヒンギス。浮き球を逃さないドライブボレーは彼女の代名詞【レジェンドFILE31】

スマッシュ編集部

2020.11.08

相手の逃げのロブを、すかさず前に詰めてドライブボレーしたヒンギス。この戦術を最初に標準装備した選手がヒンギスだった。写真:スマッシュ写真部

相手の逃げのロブを、すかさず前に詰めてドライブボレーしたヒンギス。この戦術を最初に標準装備した選手がヒンギスだった。写真:スマッシュ写真部

 1990年代末、シュテフィ・グラフ時代に終止符を打つプレーヤーが現れた。それがマルチナ・ヒンギスだ。

 ジェニファー・カプリアティが元祖「天才少女」とすれば、12歳で全仏ジュニアを制し、16歳でランキング1位に上り詰めたヒンギスは、カプリアティを上回る“超”が付く天才少女だった。

 すでに女子テニス界でもパワー志向が進む中、体格に恵まれないヒンギスは頭脳とテクニックに裏打ちされた「展開力」を武器に、相手を翻弄した。また、デビュー当時からヨネックスのラケットを使用していたこともあり、たびたび来日。日本でもファンが多い選手だった。

 ヒンギスは多彩なショットで相手を前後左右に動かし、タイミングの早いライジングも自在に操って、主導権を掌握。また、振られた相手が中ロブで逃げようとすれば、この分解写真のようにすかさずポジションを上げて、ドライブボレーで決めた。
 
 これはフォアハンドのドライブボレーだが、両手打ちバックハンドでも同じように使い、甘い浮き球は逃さない。ドライブボレーを標準装備的に攻撃の手段に取り入れたのは、ヒンギスが最初だろう。

 これは、展開力が生命線だったヒンギスが、追い込んだ相手を最後に仕留めるショットを必要としたからだが、今では女子選手には必要不可欠なショットとなっている。

【プロフィール】マルチナ・ヒンギス/Martina Hingis(SUI)
1980年生まれ。WTAランキング最高位1位(97年3月)。グランドスラム通算5勝(AUS:97~99年、WIM:97年、US:97年)。GS最年少記録の16歳3カ月で97年全豪を制すると、その3カ月後に世界No.1に到達し、同年はGS3冠を達成。卓越したボールさばきと展開力から「天才少女」と謳われた。2002年に一度引退。06年に復帰するが、翌年にコカインの陽性反応による処分を受け2度目の引退を表明した。13~17年はダブルス選手として活躍し、ダブルス、混合ダブルスでキャリアGSを達成している。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

【PHOTO随時更新】ヒンギスをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号