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レッスン

秀でた身体能力と技術が生み出すA・ズベレフの「時速220キロのスピン系フラットサービス」とは…【写真で学ぶプロのスゴわざ】

スマッシュ編集部

2020.11.07

ズベレフが放つサービスの写真からは、一般にも役立つポイント(上段左から2枚目)や、プロならではのすごさ(同4枚目)がわかる。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)、(C)Getty Images

ズベレフが放つサービスの写真からは、一般にも役立つポイント(上段左から2枚目)や、プロならではのすごさ(同4枚目)がわかる。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)、(C)Getty Images

 トッププロのサービスをハイスピードカメラを用いて解析し、一般プレーヤーがマネしたい動きを「マネわざ」、その選手ならではの特別な動きを「スゴわざ」と題してご紹介するシリーズ。その第1回目はドイツテニス界期待の23歳、アレクサンダー・ズベレフ。技術解説は、元デ杯日本代表選手で現在盛田正明テニスファンドのスタッフとしてジュニアをサポートする丸山薫氏(JTA公認S級エリートコーチ)にお願いした。

      ◆   ◆   ◆

 いつ世界のトップに立っても不思議ではない選手で、優れた身体能力と技術を兼ね備えている。彼の試合でよく見かけるのは、相手の読みを力でねじ伏せる展開だ。相手に自分の作戦を予測されていても、「オーバーパワー(相手の想定を上回る力)」で自身の作戦を完遂するのである。

 そんなズベレフのサービスで感心するのは、肩甲骨の可動域が広い上に胸骨の使い方が柔らかいこと。そのため、スピード・角度・重さの揃ったサービスを打つことができる。

 写真はセカンドサービスの際に、逆クロスを狙ったスピン系フラットサービスに見えるが、おそらく見た目以上にボールが跳ねるためリターンの打点は遅れるだろう。するとレシーバーは力の入らない所で打たされることになり、「ボールが重い」と感じるはずだ。

 では、ズベレフの「スゴわざ」と「マネわざ」を見ていこう。
 
◆プロならではの「スゴわざ」
 サービスの動きの中で最も大事だと言われるのがトロフィーポーズ。写真のトスアップを見る限り「スピンをかけたセカンドサービス」に見えるが、これほどの身体の反りから時速200キロを超える打球を放てるのはズベレフならではだ。

◆一般に役立つ「マネわざ」
 サービスでは、後ろから前への体重移動でボールにパワーが伝わりやすいが、スムーズにできない方は彼のように後ろに体重を乗せた状態からスタートさせるとうまくいく。こうすれば下半身を意識しやすく、強制的に前への勢いをつけることができる。

【選手プロフィール】
アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev)
1997 年4月 20 日生まれ(23 歳)。ドイツ出身。2013 年プロ転向。身長 198cm。右利き。バックハンドは両手。2018 年の ATP ファイナルズを含む 13 大会で優勝。 グランドスラム成績:18・19 年全仏ベスト8。20年全豪ベスト4、全米準優勝。最新ランキング7位(2020 年11月2日付)

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2020年11月号から抜粋・再編集

【PHOTO】A・ズベレフが放つ時速220キロのスピン系フラットサービス連続写真!

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