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海外テニス

「去るべき時が来た」今季引退した最強の双子、ブライアン兄弟のテニスキャリアを実績とともに振り返る

東真奈美

2020.12.24

12年全米、13年全豪、全仏、ウインブルドンに優勝し、通算グランドスラムを達成したブライアン兄弟。(C)Getty Images

12年全米、13年全豪、全仏、ウインブルドンに優勝し、通算グランドスラムを達成したブライアン兄弟。(C)Getty Images

 今年8月に引退したブライアン兄弟を、ATP(男子プロテニス協会)公式サイトが改めて取り上げた。ファンが最も好きなチーム賞を14回も受賞し、ダブルスの魅力を世に知らしめた双子である。

 史上最高のダブルスと名高い、ボブ・ブライアンとマイク・ブライアンは、両親がテニスコーチで2歳の頃からテニスを学んだ。大会での“兄弟対決”を親に禁じられていたからだろう、2人ともシングルスにはほとんど出場せず、ダブルスチームとして活動した。

 17歳の時に、1995年全米オープンで初のプロトーナメントに参戦。その時は対戦相手にボールキッズと間違われたという、かわいいエピソードもあるが、その時から2020年8月26日までの間に彼らが残した成績はそうそうたるものだ。

 オープン化以降最多となる、119大会に優勝。その優勝には、全てのグランドスラム、9つのATPマスターズ大会、ATPファイナルズとオリンピックの金メダルも含まれている。これらを全て獲得したのは、このブライアン兄弟が唯一だ。他にも、グランドスラム優勝数歴代1位(16回)、ATPマスターズ1000最多優勝記録(39回)、世界ランキング1位最長記録(438週)など数々の記録を残した。
 
 ツアーが中断する直前の今年2月に開催されたデルレイビーチ・オープンで、大会記録となる6度目のダブルス優勝を果たし、これが最後のATPツアー出場となった。そして3月、国別対抗戦デビスカップの予選を勝利で飾り、アメリカをファイナルズ進出に導いた。ATPツアーは8月に再開されたが、無観客開催であることも影響し、全米オープンを待たずして42歳で引退を表明した。

「我々がテニスに専念し、毎日全力を尽くしたことを最も誇りに思っています」と弟のボブ・ブライアン。「お互いの信頼感は決して揺らぐことなく、2人とも後悔なく引退できます。ただ、選手同士としての競争や仲間意識がなくなるのは寂しいですね。また、大きな試合に向けて準備をし、ファンの声援を聞きながらプレーする高揚感を手放すのも寂しく思います」

 兄のマイク・ブライアンは、「我々は去るべき時が来たのだと感じています。2人で20年以上もツアーに貢献してきたし、今は人生の次の章を楽しみにしています。とはいえ、長い間ダブルスをプレーできたことは、とても恵まれていると感じています。デルレイビーチでの最後の大会で優勝し、ホノルルでのデビスカップの勝利は、永遠に記憶に残り、大切にしたい瞬間です」と語った。

 飛び上がって互いの胸をぶつけ合う“チェストバンプ”で勝利を祝う様子は、ブライアン兄弟の代名詞だった。この姿が見られないのは残念だが、テニス界のダブルスの地位を引き上げた彼らの実績は色あせることはない。

文●東真奈美

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