男子テニス世界ランク５位のロジャー・フェデラー（スイス）は、２月８日から開幕の全豪オープンを欠場する。このことは、同大会のトーナメントディレクター、クレイグ・タイリー氏が、12月末に大会公式ホームページで公表していた。

　ただ、その時に明かされていた「グランドスラムの厳しい戦いに備えるための時間が足りなかった」という欠場理由は、事実とは異なると話す人物がいる。

　それは、テニス・オーストラリアの選手連絡係を務めるアンドレ・サ氏だ。ブラジルの元トップ選手である彼は、オーストラリアのウェブサイト「Bandsports」のインタビューで、フェデラーの全豪欠場の真の理由は「ホテルでの隔離」に関連するものだと語った。

　サ氏が１カ月ほど前にフェデラーと話をした時には、フェデラーには２つの選択肢があったという。ひとつは家族と一緒に現地に来て、全員がホテルで隔離すること。そしてもうひとつは、家族を自宅に残してフェデラー1人が現地を訪れることだ。
  　　家族全員で隔離をする場合、選手だけはトレーニングなどで一定時間外出することが許される。しかし、帯同する家族はそれができず、14日間ホテルに缶詰め状態となる。サー氏は「これに妻のミルカが同意しなかったんだ」と語った。

　また、フェデラーが１人で訪れるという選択肢については、彼自身が受け入れなかった。サ氏がフェデラーに、1人で来るなら少なくとも５週間は家族と会えないという旨を伝えると、彼は「自分は39歳で４人の子どもがいる。そしてこれまで20回のグランドスラムタイトルを獲得した。もう５週間も家族と離れている時間はないんだ」と答えたという。

　フェデラーが全豪オープンの本戦に出場いないのは1999年以来のこと。21年におよぶ連続出場記録が途絶えてしまうことになる。復帰戦がどの大会になるのかはいまだ定かではないが、彼の芸術的なテニスが可能な限り早く見られることを願うばかりだ。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】テニス選手を支える美人妻＆ラブラブカップル