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海外テニス

ジョコビッチの待遇改善要求は「人気が欲しいだけの身勝手なもの」元豪デ杯選手が批判

スマッシュ編集部

2021.01.19

2018年に現役を退いたグロス。昨年の全豪オープンではオンコートのインタビュアーを務めて話題となった。(C)Getty Images

2018年に現役を退いたグロス。昨年の全豪オープンではオンコートのインタビュアーを務めて話題となった。(C)Getty Images

 現在、2月8日から開幕する全豪オープン(オーストラリア/メルボルン)とその前哨戦に向けて、多くの選手がオーストラリア入りし、14日間の隔離期間に入っている。ただこれは完全な隔離ではなく、選手たちには1日5時間の外出が許されており、その間にコートでの練習が可能だ。

 しかし、一部の不運な選手たちは部屋から一歩も出ることができずに缶詰め状態となる。それは、オーストラリア入りの際の飛行機に、新型コロナウイルスの陽性者が見つかった選手たちだ。16時間以上を陽性者と機内で過ごした彼らは、濃厚接触者と判断されるため一切外出が許されず、14日間コートでボールを打つことができなくなった。

 これを受けて、元選手会会長のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、この不運な選手たちを救おうと、完全隔離の選手たちの隔離期間を短縮することや、彼らをコート付きのプライベートハウスに移動させることなど、全豪オープンの主催側にいくつかの待遇改善案を提出して話題となった。
 
 この提案には賛否両論が集まったが、元デビスカップオーストラリア代表のサミュエル・グロス(オーストラリア)はかなり批判的だ。彼はオーストラリア紙『ヘラルド・サン』のインタビューに対し「彼は本気なのか?人気を得るためだけの身勝手で政治的な意見だ」と痛烈なコメント。

 また、隔離期間を短縮するという提案については「滑稽なだけじゃなく、(隔離に)耐えているオーストラリア国民を侮辱している」とし、「彼は何かが変わると思ったのか?ビクトリア州の首相が『ノバク、なんでもしてくれ』とでも言うと?勘弁してくれよ」と、呆れ返っている様子だ。

 結局のところ、このジョコビッチの提案はビクトリア州政府に却下された。選手間で環境に大きな差が生まれてしまうが、テニス選手だけを特別扱いすることもできないだろう。完全隔離状態の選手には錦織圭やダニエル太郎といった日本人選手もいるが、彼らが可能な限り良いコンディションで大会を迎えられるように願うばかりだ。

構成●スマッシュ編集部

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