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【テニスギア講座】創業者名に地名も――意外に知らない、ラケットブランド名の由来とは?〈SMASH〉

松尾高司

2021.03.21

巷に流通する数多くのテニスラケット。普段気にすることはないが、そのブランド名にはそれぞれに興味深い由来がある

巷に流通する数多くのテニスラケット。普段気にすることはないが、そのブランド名にはそれぞれに興味深い由来がある

 テニス関係のブランド名について「その由来ってなんだろう?」なんて考えちゃう人は少ないでしょうが、あれこれ探ってみると、それなりに面白い話が出てきます。

 現存するテニス用具専門メーカーで、最古の歴史を持つ『バボラ』社がフランスのリヨンに誕生したのは1875年のこと。1980年代前半まで、共同会社『バボラ・マヨー・ウィット』社がナチュラルガット「VS」ブランドを販売し、その後、シンセティックストリングやマシンで発展、90年代にはラケットを送り出し、テニス総合ブランドへと成長しました。

 このブランド名は、創業者であるピエール・バボラ氏、アルバート、ポール、ピエール、そして現在の5代目のエリックという、バボラ家からの名前そのものです。

 日本ブランドの最大手『ヨネックス』も、創業者である故・米山稔氏の「ヨネ」由来。1946年、米山氏は漁網用の木製ウキの製造を開始しますが、57年にはバドミントンラケット製造業へと転身し、『米山製作所』を興します。
 

 新潟の本社工場が火事で全焼するなど、幾多の苦難を乗り越えながら、バドミントンの総合メーカー、そして日本を代表するテニスの総合メーカーへと発展。67年には『ヨネヤマラケット』と社名変更し、そして74年に『YONEX』となります。最後の文字「X」は、無限の発展性を示すとされ、見事その通りになったわけですね。

『ウイルソン』も、いかにも創業者の名前由来……の雰囲気ですが、実はちょっと複雑な事情があります。1914年、精肉業者だった「ザルツベルガー&サンズ社」が、精肉の副産物を再利用してバイオリンの弦や外科用縫合糸等を販売する「アシュランド・マニュファクチャリング社」の管理下に置かれます。

 その後、買収を重ね、16年にはラケット、ストリング、シューズなどを販売するスポーツ用品メーカー『ウイルソン』を創設。当時のアメリカ合衆国大統領ウッドロー・ウイルソン氏の名にちなんで、社名を『ウイルソン』で申請しますが、イリノイ州から使用禁止通達が出ます。
 
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