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海外テニス

31歳のシルステアが約13年ぶりのツアータイトル獲得!進化の要因はロックダウンで「コートに立つ喜びを再発見したこと」<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.04.26

ロックダウン中のメンタルの変化が、好調の要因だと明かすシルステア。(C)Getty Images

ロックダウン中のメンタルの変化が、好調の要因だと明かすシルステア。(C)Getty Images

 女子テニスツアーの「イスタンブール・カップ」(トルコ・イスタンブール/クレー/WTA250 )は現地4月25日に決勝戦が行なわれ、ノーシードのソラーナ・シルステア(ルーマニア)が第1シードのエリーズ・メルテンス(ベルギー)を6-1、7-6(3)で破り、約13年ぶりとなるツアー優勝を果たした。

 今大会1セットも落とさない好調ぶりで、決勝でもメルテンスに対して積極的なリターンから7度のブレークを奪ったシルステア。サービスゲームでも、特にセカンドサービスで70%近いポイント獲得率を叩き出すなど好プレーを見せた。

 そんな彼女だが、大会前にはこのような結果を全く予想していなかったという。海外テニスメディア『TennisMajors』によると、彼女はここ1年半ほどを主にハードコートでの練習に費やしており、テニスにおいて最も過酷なクレーコートでの戦いに対する準備がほとんどできていなかったのだそうだ。

「(3月の)マイアミ・オープンのあと、クレーコートでプレーを始めた時には『ああ、もうこのサーフェスは嫌い』って思ったわ。去年のロックダウン中はずっとハードコートで練習していて、クレーコートはたった2大会に出場しただけだったの」
 
 それでも、今シーズンに入ってペトラ・クビトワ(チェコ)やベリンダ・ベンチッチ(スイス)といった強豪選手たちから勝ち星を上げていた彼女は、「今年は多くの試合に勝てていることも大きな要因ね」と、サーフェスに関わらず自分のテニスに自信を持てるようになったようだ。

 また、現在31歳のシルステアにとってはこれがクレーコート初優勝で、前回の優勝は2008年のタシケントまで遡る。18歳から約13年間もの間タイトルから遠ざかっていた彼女は、一時は自身のテニスやこれまでの努力に対して「疑問を感じ始めていた」と告白した。

 そんな中で起きた、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン。これが彼女のメンタルに大きく影響したという。約4か月間はジムやコートでの練習のみだったが、「この時、私は競技が大好きで、トーナメントに戻りたいと強く思っていることに気が付いたの。コートに立つ喜びを再発見して、結果がどうであれテニスをまた楽しめるようになったわ」と彼女は明かす。

 さらに、歳を重ねて冷静さを得たことも好調なプレーを支えている。過去の自身のプレーを「アグレッシブで、ちょっと慌て過ぎていた」と振り返るシルステアだが、今では「ただ強く打つだけでなく、チェスのように様々な角度からゲームを見られるようになった」という。これにより、今大会でも「攻め急がずに適切なタイミングでウィナーを狙うことができたの」と勝因を語った。

 この活躍でシルステアの世界ランキングは58位に上昇。2018年9月以来の高ランクに付けている。

構成●スマッシュ編集部
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