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海外テニス

女子テニス史上屈指のハードパンチャー、クリステルス。ヒジで“しばく”フォアは驚愕すべき破壊力【レジェンドFILE39】<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.05.16

ヒジの使い方が特徴的だったクリステルスのフォアハンド。7~8コマ目にかけて強烈にヒジでプッシュし、ボールをしばいた。写真:スマッシュ写真部

ヒジの使い方が特徴的だったクリステルスのフォアハンド。7~8コマ目にかけて強烈にヒジでプッシュし、ボールをしばいた。写真:スマッシュ写真部

 21世紀に入ると、テニス大国とは言えないベルギーから突如2人の巨星が現れる。その1人、キム・クリステルスは女子テニス史上で突出したフォアハンドを持った選手と言って差し支えないだろう。

 クリステルスのフォア、そして1つ年上ジュスティーヌ・エナンの片手バックハンドは、それまでの女子テニス界にはなかったインパクトを与えた。彼女らの活躍によって、アメリカ(ウィリアムズ姉妹)対ヨーロッパ勢(ヒンギス等)の対立構造が一層激化し、女子テニスは大きな盛り上がりを見せることになる。

 掲載した連続写真は、そのクリステルスのフォアハンド。彼女のスイングで特徴的なのは、なんとも大胆なヒジの使い方だ。インパクト後、ヒジを強烈に前方にプッシュしてから(7~8コマ目)、左肩口にフォロースルーをとっている(9コマ目)。まるでヒジで“二度打ち”するかのようなスイングだ。この“しばき”がボールに推進力を与え、ケタ外れの破壊力を生み出していた。
 
 当時としては珍しいフォームだったが、今ではこうしたスイングをする選手も少なくない。そういった意味では時代の先端を走り、方向付けたのがクリステルスだった。

 彼女が日本でもよく知られているのは、杉山愛選手と長年ダブルスを組んだことも影響していよう。2003年にはシングルス、ダブルスでランキング1位を記録。さらに2度の引退&復帰を経て、今もコートに立とうとしているのだから、そのタフネスぶりには驚愕するしかない。

【プロフィール】キム・クリステルス/Kim Clijsters(BEL)
1983年生まれ。WTAランキング最高位1位(2003年8月)。グランドスラム通算4勝(AUS:11年、US:05・09・10年)。フォアハンド、バックハンドともに凄まじい剛打を持つグラウンドストローカー。05年全米でGS初制覇を果たすが、07年に24歳の若さで引退。長女の出産を経て09年に現役復帰し、直後の全米で4年ぶり2度目の優勝を飾る。翌年も連覇するなど完全復活。12年に2度目の引退をしたが、昨年復帰を果たし、全米にも出場している。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

【PHOTO随時更新】クリステルスをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真
 

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