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海外テニス

「ナオミの気持ちはよくわかる」大坂なおみの会見拒否に元F1王者のロズベルグが理解示す。自身も過去にシャットアウトの経験が<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.05.28

大坂(左)の考えに理解を示した元F1ワールドチャンピオンのロズベルグ氏(右)。(C)Getty Images

大坂(左)の考えに理解を示した元F1ワールドチャンピオンのロズベルグ氏(右)。(C)Getty Images

 女子テニス世界ランク2位の大坂なおみが、今年の「全仏オープン」(5月30日~6月13日/フランス・パリ/グランドスラム/クレー)で全ての記者会見に応じない旨を表明したことに対し、世界中で賛否両論が巻き起こっているが、F1(フォーミュラー1)の元世界王者であるニコ・ロズベルグ氏は大坂の考えに理解を示しているようだ。

 会見拒否の決断に至った経緯について、自らの意思を公式ツイッターで公開した大坂は、「人々がアスリートのメンタルヘルスについてあまり考えていないとよく感じていた」と記者たちへ向けて苦言を呈し、「(特に)負けた選手をあのような場で問い詰めるのは、落ち込んでいる人を蹴落とすようなもの」と試合後の会見が選手の精神状態に悪影響を及ぼす可能性を指摘していた。

 海外メディアの『ユーロスポーツ』によると、ロズベルグ氏はこうした大坂の意思表示に対し「かなり度胸のある行動だ」と評価。自身も過去に、メディアを起因としたストレスをシャットアウトしていた経験を振り返り、「ナオミの気持ちはよくわかるよ」と語った。

 2006年にF1レーサーとしてデビューを果たしたロズベルグ氏は、2013年からメルセデスに在籍し、長年の友人で後に最大のライバルとなるルイス・ハミルトンと共闘。タッグを組んでから15年までの3年間は、2度ワールドチャンピオンを獲得したハミルトンの後塵を拝したが、翌16年には奮起。年間を通してライバルとの激しいデッドヒートを繰り広げ、自身初のワールドチャンピオンを獲得し、そのまま現役引退を決断した。
 
 ロズベルグ氏によると、この年の後半5か月間はメディアをシャットアウトし、チャンピオンになることだけに集中できる環境に身を置いていたようだ。これは記者会見などで寄せられる、自身の能力やメンタルに疑念を抱かせるような質問に、ストレスを感じていたためだという。

 ロズベルグ氏は、「このような状況で、あなたは1度も勝ったことがない」「弱すぎるから勝てないのか?」「永遠にナンバー2でいるつもりなのか?」といった、実際に浴びせられた不躾な質問の例を挙げ、「難しい局面に置かれたとき、こういった質問に答えるのは大変なことなんだ」と語った。

「走行した後には毎回のようにこんな質問を受けていた。フリー走行でミスをすると『ニコ、プレッシャーを感じているのかい?』ってね。これはなかなか大変なことだ。だからナオミの気持ちはよくわかるよ」

 一方で、他の選手がメディアの対応を続ける中で、大坂のみがこれに応じないでいるのは「不公平なこと」だと認めつつ、「ただ本当に精神的な問題を抱えているのであれば、それが何よりも優先されるべきだ。つまり彼女の状況次第ということだね」としている。

構成●スマッシュ編集部

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