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海外テニス

「自己管理についてはかなり厳しく」アメリカに留学している福田詩織が語る、コロナ禍での大学テニス事情<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2021.08.20

新型コロナに負けずに、留学して様々な経験をしてほしいという福田詩織。写真:滝川敏之

新型コロナに負けずに、留学して様々な経験をしてほしいという福田詩織。写真:滝川敏之

 アメリカ・カリフォルニア州にあるペパーダイン大学の大学院でグローバルビジネスを学んでいる福田詩織。彼女は今年、全米大学テニス選手権大会の1部リーグ(NCAA)で、ペパーダイン大学の団体戦準優勝に貢献した。

 そんな彼女にコロナ禍で、大学テニスはどのような対応を取っているのかを訊いた。アメリカ大学テニスのシーズンは1月から5月で、毎週末どこかの大学に行って試合をするのが通常だったという。

 しかし、コロナ禍では飛行機などの長距離移動がほとんどなくなり、同じ西海岸の大学との試合が多くなった。「アスリートとしては残念」と色々な大学の施設や環境を見られる点も楽しんでいた福田は言う。

 シーズン中は、「チームに陽性者が1人でも出るとダメになるので、自己管理についてはかなり厳しくコーチから言われました」と、制限下での生活を送っていた。私立の大学で、門を閉じれば外部との接触がなくなる環境であるため、他大学に比べても厳しい内容だったと想像される決まり事は、こうだ。
 
・チームメイトと一緒に15分以上車中にいてはいけない。
・練習中はコートでチームメイトと荷物を近くに置かない。
・寮の部屋の行き来をしてはいけない。
・キャンパス内ではマスクを付ける。
・外部との接触は避ける。
・スーパーに行く時以外、キャンパス外に出てはいけない。

 鼻を出してマスクをしていたチームメイトは、コーチに「練習に来なくていい」と言われるほどだったという。チームメイトと直接交流することもほとんどできない状況だったが、「陽性になったら、支えてくれている人たちなど多くの人に迷惑がかかる」との思いで、皆が指示に従った。

 実はペパーダイン大学は今年4月にクラスターが発生していた。もしも、チームメイトから1人でも陽性者が出ていたら、5月に行なわれた全国大会に出場できなかった可能性が高い。その場合、大学初の団体戦2位という成績も出せなかっただけに、指示を厳守したかいがあったというものだ。

 現在アメリカではワクチン接種が進んでおり、マスクをつけなくてもよい状況になっている。テニス部の制限も緩和されるだろう。福田は「こういう状況下でも、留学を勧めたい」と言う。日本ではできない様々な経験をしてきただけに、新型コロナの影響で留学を諦めることなく、ジュニアには挑戦してほしいと思っている。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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