専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

「彼への敬意を失った」元1位のマリーがチチパスの長いトイレットブレークを痛烈批判!<SMASH>

中村光佑

2021.08.31

相手の長いトイレットブレークで身体がクールダウンしてしまったというマリー。主審にも抗議した。(C)Getty Images

相手の長いトイレットブレークで身体がクールダウンしてしまったというマリー。主審にも抗議した。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全米オープン」(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)の男子シングルス1回戦で敗退した元世界王者のアンディ・マリー(イギリス/112位)が、試合中に約8分にもわたるトイレットブレークを取った対戦相手のステファノス・チチパス(ギリシャ/3位)を痛烈に批判した。

 この試合はセットカウント2-1とマリーがリードを奪っていたが、第4セットをチチパスが取り返し、勝負の行方はファイナルセットへ。ここでトイレットブレークを理由にチチパスがコートを離れたのだが、7分以上経過しても戻ってこないことにマリーがしびれを切らし、主審に猛抗議。その後、チチパスは主審から遅延行為による警告を受けた。

 長めの中断でリズムを崩してしまったのか、ファイナルセットに入るとマリーは第1ゲームでいきなりブレークを喫してしまう。チチパスの遅延行為に怒りの収まらないマリーは第2ゲーム終了時に大会主催側へ「トイレはあそこ(近く)にあるのに、彼(チチパス)は何をやっていたんだ! 僕はあんなに長くトイレに行ったことなんてない!」と主張。だが、そのまま流れを引き戻せなかったマリーは結果的にこのセットを4-6で落とし、初戦で姿を消した。

 試合後の記者会見でも「あのようなタフな試合をしていると、7分(または8分)動きを止めただけでクールダウンしてしまう。精神的な準備はいくらでもできるけど、試合中にあんなに長い休憩を何度も取ると、肉体的に影響が出てしまうのは事実なんだ」とチチパスの遅延行為に納得がいかない様子のマリー。
 
 また、「(あれがなければ)必ず勝っていた試合だったとは言わないが、あの休憩で自分が影響を受けてしまったことはガッカリしている」と落胆し、「僕は彼のことを素晴らしい選手だと思っているが、彼への敬意を失ってしまった」とチチパスへの不満をあらわにした。

 だが、ルール上トイレットブレークの制限時間は設けられていないため、チチパスは後の会見で物議を醸しているこの一件について「僕はルールを破ったとは思っていないし、ガイドラインに沿ってプレーしたつもりだ。自分がルールを守り、ATPが言うフェアなプレーをしていれば、あとは問題ないだろう」と弁明。

 一方で「彼(マリー)には何も恨みはない。絶対に何もないよ」と強調し、会見を締めくくった。

 前週のシンシナティでも準決勝で対戦したアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)からコーチング疑惑やトイレットブレークが長いことを指摘されていたチチパス。ルールの範囲内だとしても、やはり疑わしい行動は控えるべきだろう。

文●中村光佑

【連続写真】チチパス19歳時のサービスからドライブボレーで決めるプレー
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号