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海外テニス

「SNSの普及が関わっているのでは」フェデラーが若手選手たちの心のストレスに言及「再考する必要がある」<SMASH>

中村光佑

2021.09.28

メディア対応に多くの時間を割き、こなしてきたフェデラーも、記者会見のあり方について変化を求めた。(C)Getty Images

メディア対応に多くの時間を割き、こなしてきたフェデラーも、記者会見のあり方について変化を求めた。(C)Getty Images

 男子テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラー(スイス/世界ランク9位)はソーシャルメディアの使用が若手選手のメンタル面に悪影響を及ぼしかねないと懸念しているようだ。

 近年、テニス界でも選手への誹謗中傷が大きな問題となっているが、その原因として挙げられるのがSNSの急速な普及だ。先の全米オープンでは女子シングルス4回戦でシェルビー・ロジャーズ(アメリカ/45位)が18歳のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/23位)に敗れた直後に「今日負けたことで、(SNSで)900万人から死の脅迫メッセージが寄せられるだろう」とコメント。

 さらに、同大会の3回戦でアンジェリーク・ケルバー(ドイツ/14位)に逆転で敗れた同郷のスローン・スティーブンス(アメリカ/54位)も、自身のインスタグラムのストーリーで試合終了後に2000件を超える侮辱的なメッセージを受け取ったことを明かしていた。

 アメリカのカルチャー雑誌『GQ』のインタビューに応じたフェデラーは特に若い選手たちが心のストレスを抱え込むケースが増えていることについて、「ソーシャルメディアの普及が関わっているのではないか」と自身の見解を述べた。

「彼らが調子を崩しているのを見ると、心が痛んでしまう。そのストレスはとても大きい。僕の人生の最初の10年間は、ソーシャルメディアはなく、ウェブサイトがあるぐらいだったけれど、その後の10年間はソーシャルメディアが至るところに出てきた。いいコメントが10件あれば、必ずネガティブなコメントが1件あり、どうしてもそのようなネガティブなコメントに注目してしまう」
 
 また、フェデラーはSNSだけではなく、各大会でメディア対応が義務付けられている状況も選手のメンタルに大きく影響していると主張。今年6月の全仏オープンの開幕直前に大坂なおみが精神的な問題を理由として突如記者会見ボイコットを宣言したことも踏まえ、「記者会見の在り方を再考する必要があると思う」とコメントした。

「恐ろしい状況だよ。気持ちが落ち込んでいるときでも、世界中の報道陣の前では一定の行動をする必要がある。テニスプレーヤーはアスリートでありプロであるが、人間でもあることを忘れてはならない。選手、大会、ジャーナリスト、それぞれが一堂に会して、"あなたにとって何が良いのか、私たちにとって何が良いのか"を話し合う必要があると思う。あるいは、少なくとも現在の状況を変化させなきゃいけないだろうね」

 アスリートが持っている力を最大限に発揮するためには、心の状態が整っていなければならない。フェデラーの言葉通り、どのようにして選手のメンタルケアを進めていくのかさらに議論を深めるべきだろう。

文●中村光佑

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