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海外テニス

“困難な状況”でも功績をおさめた大坂なおみが米国女子スポーツ財団賞に選出!「もっと心に残るようなことをしたい」<SMASH>

中村光佑

2021.10.15

テニスコートの内外で活動を続けてきた大坂の功績が認められて賞が送られた。(C)Getty Images

テニスコートの内外で活動を続けてきた大坂の功績が認められて賞が送られた。(C)Getty Images

 現地時間10月13日にアメリカのウィメンズ・スポーツ財団が困難な状況にも負けず素晴らしい功績をおさめている女性アスリートに送られる「ウィルマ・ルドルフ・カレッジ賞」を発表。テニス界からは人種差別とメンタルヘルスの問題に関する意識向上に貢献した大坂なおみが選出された。

 大坂は今年6月の全仏オープン開幕直前に突如記者会見ボイコットを宣言し、同時に2018年の全米オープン優勝後から心の病に悩まされていたことを告白。それ以来、テニス界でも心の健康に言及する選手が増え、アスリートのメンタルヘルスもスポーツ界における重要なテーマとして国内外で様々なメディアが取り上げている。

 また、大坂は2020年5月に黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に殺害された事件をきっかけに、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)運動」にも積極的に参加。2度目の優勝を果たした同年9月の全米オープンでは大会期間中、黒人差別によって殺害された被害者の名前が記された7枚のマスクを着用した上で入場するなどして注目を浴びた。

 英スポーツメディア『sportskeeda』によると、大坂はウィメンズ・スポーツ財団の創設に携わった女子テニス界のレジェンド、ビリー・ジーン・キング氏から同賞の授与を言い渡されたという。受賞後に行なわれたインタビューでは「ビリー・ジーン・キング氏から最初に話を聞いた時は、この賞を受けられることをとても光栄に思いましたし、もっと人々の心に残るようなことをしたいとも思いました」と喜びのコメント。
 
 続けて大坂は過去に自分の名声を活用する形で社会に変化をもたらした人々からインスピレーションを受け、様々なアクションを起こしたと明かしている。

「私が声を上げる勇気を持てたのは、私の周りの人々が素晴らしいことをしていて、何の恐れもなく、自分の信じるもののために立ち上がっている様子を見て育ったからです」

 そして最後には、こうメッセージを残した。

「若い女の子たちに言いたいのは、毎日ベストを尽くせば、それがどのような結果になるのかはわからないということです。私はこういった活動も勝負のようなものだと思っています。もしかしたら数年後には私が座っているところにあなたたちも座っているかもしれません。それを見るのが待ち遠しいです」

 そんな大坂は9月の全米オープン3回戦で敗退した直後に自身のメンタルヘルスの問題を理由として無期限でのツアー離脱を表明し、復帰時期についても不透明な状況が続いている。だが、まずは再び元気な姿でコートに戻ってくるためにも、時間をかけて心身をリフレッシュさせてほしい。

文●中村光佑

【PHOTO】抗議活動をしながら2度目の優勝を果たした大坂なおみの全米2020を厳選写真でプレイバック!

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