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海外テニス

「出場するかわからない」王者ジョコビッチが“ワクチン接種問題”で全豪OP棄権か?「不和が生じていることに失望」<SMASH>

中村光佑

2021.10.20

ワクチン接種に消極的なジョコビッチにとって4連覇のかかる全豪オープンは出にくい大会となりつつある(写真は今年の全豪優勝時)。(C)Getty Images

ワクチン接種に消極的なジョコビッチにとって4連覇のかかる全豪オープンは出にくい大会となりつつある(写真は今年の全豪優勝時)。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が母国のニュースメディア『Blic』のインタビューに応じ、大会4連覇のかかる来年1月開催の全豪オープンについて、「出場するかはわからない」と発言した。

 全豪が開催されるメルボルンがあるオーストラリアのビクトリア州では、新型コロナウイルス感染拡大の防止目的で、選手へのワクチン接種義務化を課す可能性が高まっている。
 
 接種を終えていない選手については、全豪主催者であるテニス・オーストラリアの運営にも携わる元ダブルス世界3位のケイシー・デラクア氏が最近のインタビューで「ワクチンを打っていない選手であってもプレーできるかもしれない」とコメント。その一方で「ワクチン接種していない場合、入国時の隔離生活をはじめとしてすでに接種をした選手と比べると不利な扱いを受けることも考えられる」とも明かしていた。

 全豪で最多9度の優勝を誇るジョコビッチは自身が「反ワクチン主義者ではない」としつつも、ワクチン接種の義務化には一貫して消極的な姿勢を示してきた。ここ最近の一連のビクトリア州政府からの発表を踏まえ、34歳の世界王者は「メルボルン(全豪)でプレーするかどうかはわからない」と大会の欠場も示唆している。

 インタビュー中にジョコビッチは記者からワクチン接種の有無を問われたものの、「それはプライベートな問題で、答えることによって(メディアに)不利に利用されてしまう」として回答を拒否。また、新型コロナに関して不安を煽り続けるメディアやワクチン接種者と未接種者の間で差別が生まれている現状にも苦言を呈した。
 
「スポーツに限らず、世の中全体でワクチンを打った人と打っていない人の間に不和が生じていることに失望している。ワクチンを打つか打たないか、自分で判断したい人がいるのに、その人を差別するとしたら、それはひどいことだと思う」

「それにメディアも多くの人にプレッシャーを与えている。過剰な憶測が飛び交っていてとても気になっている。現在、明確ではないこと、有効ではない情報があまりにも多く、それが有効であることがわかったかと思うと、またそうではなくなってしまう。すべてが変化しているんだ」

 現地時間10月19日にはビクトリア州のダニエル・アンドリュース州首相が「ワクチン未接種の選手がオーストラリアに来るためのビザを取得できる可能性は低い。仮に取得できたとしても、おそらく数週間の隔離が必要となるだろう」と発言。このコメントから分かる通り、全選手が問題なく来年の全豪に出場するには、やはりワクチンの接種が推奨される。

 たしかにワクチン接種は着々と普及している。だが、一方で安全性に関してはいまだ不透明な部分が存在するのは事実だ。とくに日ごろから徹底した自己管理を行なうジョコビッチにとってはセンシティブな問題のは間違いないだろう。まずはビクトリア州政府が最終的にどのような判断を下すのか注目したい。

文●中村光佑

【PHOTO】ジョコビッチやナダルら2021全豪オープンで躍動したトッププロの厳選写真!
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