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海外テニス

ジョコビッチを支持していたセルビアの首相も釈明内容に愕然。「明らかなルール違反だ」と非難<SMASH>

中村光佑

2022.01.13

会場で練習に励んでいるジョコビッチは無事全豪オープンに出場できるのか? いまだ騒動は収まらない。(C)Getty Images

会場で練習に励んでいるジョコビッチは無事全豪オープンに出場できるのか? いまだ騒動は収まらない。(C)Getty Images

 現地時間1月10日にオーストラリア入国可否を決める審理で勝訴したものの、男子テニス世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、渡航証明書の虚偽申告や昨年12月の2度目の新型コロナウイルス感染をめぐって新たな疑惑が浮上している。

 いまだ収拾のつかない事態に、これまでオーストラリアへの入国を正式に認めるよう支援する意向を示していたセルビアのアナ・ブルナビッチ首相も今回ばかりは同国を代表するスーパースターを批判している。

 入国時に提出した渡航申請書の「オーストラリア到着前の14日間で他国に旅行したか?」との質問に「いいえ」と回答したジョコビッチだが、実際はトレーニングのため12月31日にスペインへ移動していたことが判明。

 また、彼の弁護団は彼のワクチン接種免除が認められた理由について「12月16日に新型コロナウイルスに感染したためだ」と主張していたが、海外テニス専門メディア『UBITENNIS』をはじめ複数の海外メディアが「感染した翌12月17日にイベントに出席し、18日には仏メディア『レキップ』紙の写真撮影にも参加した」と報じていた。

 これを受けてジョコビッチは現地1月12日に自身のSNSで一連の騒動に関する声明を発表し、「12月17日にベオグラードで子どもたちに賞を贈るテニスのイベントに参加しましたが、その前にも抗原検査を行ない、陰性でした。症状もなく、体調も良かった中、そのイベントの後になって初めてPCR検査で陽性が判明したという通知を受けました」と釈明している。
 
 一方で12月18日にレキップ紙の写真撮影に応じたことについては「記者たちをがっかりさせたくなかったのが理由です」と明かし、「よく考えてみるとこれは判断ミスであり、この約束は変更すべきだったと受け止めています」と謝罪していた。

『UBITENNIS』によるとセルビアでは新型コロナ感染が判明した場合、14日間の自己隔離が義務付けられているという。そのため、英公共放送『BBC』のインタビューを受けたブルナビッチ首相は国内の感染拡大防止プロトコルとジョコビッチの釈明文をふまえ、「今回のケースでは、彼はそのルール(隔離が必要なこと)を認識していたように見える。もし守らなかったのであれば、それは明らかなルール違反となる」と批判した。

 その一方でブルナビッチ首相は「彼に対する処分はどうなるのか、それは関係機関が調べなければならないことだ」と主張し、「現時点では彼がいつ検査の結果を入手したのか、また正確にはいつそれを確認したのか、さらにはどの時点で陽性であることを認識したのかがわからない。だから、不確実なことがある」ともコメントした。

 世界的な波紋を広げたジョコビッチのオーストラリア入国拒否騒動。なお、オーストラリアのニュースメディア『abc.net』によると、豪政府のアレックス・ホーク移民相が今日13日にも同選手のビザの再取り消しの可否を決定するという。

文●中村光佑

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