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国内テニス

【伊達公子】100位、30位、10位に入れる選手の違いは?日本の教育環境ではトップ10選手は生まれづらい<SMASH>

伊達公子

2022.02.11

「執着心を持つには、先のことを描けている必要があります」と言う伊達さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

「執着心を持つには、先のことを描けている必要があります」と言う伊達さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 スポーツには順位が付きます。トップ10に入れる人もいれば、200位台の人もいます。100位、30位、10位以内に入れる選手は、何が違うのでしょうか?

 テニスで100位以内と言えば、世界で戦う選手の一員として認められるランキングです。グランドスラム本戦に入れるかどうかのラインなので、ここには天と地ほどの差があります。100位に入れる人と入れない人の違いは、「勝負に対する執着心」だと思います。どんなに泥臭くても、どんな方法でも試合に勝とうとすること。

 執着心を持つには、トップ100に入ったら自分の環境がどう変わるのか、先のことが描けている必要があります。どういう大会に出られて、どんな待遇になるのかなどです。

 例えば、空港に着いて迎えが来てくれるのか、大会と会場移動は車なのかバスなのか。上のレベルの待遇を見るチャンスがない人は、未来を描きづらく下部ツアーに留まりがちです。しかし、1度上の世界を見た人は、もう下部ツアーには戻りたくないと言います。

 目の前の試合をこなしているだけだと、目の前の結果にしか執着心は生まれません。先の世界を思い描いて、がむしゃらにそこに到達することです。
 
 30位以内になるとシードが付きます。テニス界は強い者が優遇されるのが当たり前なので、待遇は良くなります。30位に入る選手と入れない選手の違いは、「意識の高さ」でしょう。
 
 例えば食事。気にせず食べたい物を食べるのか、必要な物を食べるのか。練習の仕方、トレーニングの取り組み方、ストリングの張り替え方など、30位に入れる選手は全てにおいて意識が高いですね。

 若い時はどういう行動を取るべきか気付けないものなので、最初はコーチなど周りにいる人が教える必要があります。選手は教えられたことを実行しなくては意味がありません。実行しなければ、知らないのと同じことです。あとは経験を積んでいくうちに、わかってくるようになります。

 コーチがいない場合は、周りを見られる視野の広さがあるかどうかです。トップ選手の行動を見て参考にしていくといいのですが、世界を知る日本人選手が少ないので、見られる機会が少ないというのが現実です。
 
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