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海外テニス

元世界1位のロディックが人に危害を加えない”ラケットの投げ方“を指導するユニークな動画を公開<SMASH>

中村光佑

2022.03.29

ロディック氏(左)がキリオス(右)らラケットを投げて問題になっている選手が多いことを受けてユニークな指導を披露した。(C)Getty Images

ロディック氏(左)がキリオス(右)らラケットを投げて問題になっている選手が多いことを受けてユニークな指導を披露した。(C)Getty Images

 アメリカテニス界のレジェンドで、元世界ランク1位のアンディ・ロディック氏が現地3月26日に更新。自身の公式ツイッター(@andyroddick)で「怒りに任せてラケットを叩きつける際に人を傷つけない方法」と題した動画を公開し、ファンからも反響を呼んでいる。

 ここ最近は男子ツアーにおいて選手が危険行為へと及んでしまうケースが続発している。今年2月末のメキシコ・オープンではアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/シングルス世界4位)がマルセロ・メロ(ブラジル)と組んだ男子ダブルス1回戦で主審の判定に激怒。試合終了後にラケットで審判台を何度も殴打する事態が発生。これによりズベレフは失格処分と罰金の制裁を受けるとともに、同大会で得たランキングポイントと賞金も没収された。

 また、3月初旬のBNPパリバ・オープンではラファエル・ナダル(スペイン/3位)との準々決勝で敗れたニック・キリオス(オーストラリア/102位)が、現在開催中のマイアミ・オープン1回戦では21歳のジェンソン・ブルックスビー(アメリカ/39位)がそれぞれ敗戦や自身の試合中のミスによる怒りからラケットを投げ、それがボールボーイに向かってしまった。キリオスとブルックスビーはボールボーイに謝罪の言葉を述べたものの、ともにATP(男子プロテニス協会)から罰金を科されている。

 そんななかでツイッターに動画を投稿したロディック氏は、次のように切り出している。

「先月はメキシコでアレクサンダー・ズベレフがラケットで審判の椅子を殴り、色々と物議を醸している。ニック・キリオスが投げたラケットはボールボーイに当たりそうになったし、ジェンソン・ブルックスビーも人に向かってラケットを投げつけたが、こういった行為がいい結果を招くことはめったにない」
 
 そのうえで「全ての選手に向けて、トラブルに発展しないラケットの投げ方を教えたいと思う」と述べた同氏は「必要な怒りを消化する方法はこうだ。ラケットを投げる時はこのようにラケット面を真下に向けて投げるといい。(こうすれば)誰にも当たることはない」と説明。“安全なラケット投げ”を実演した。

 また、動画の中でロディック氏は2020年の全米オープン4回戦でノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界1位)が線審の喉元にボールを当てて失格となった一件を引き合いに、「ボールへの怒りのぶつけ方」も伝授。

 ボールを高々と打ち上げたロディック氏は「怒りに任せてボールを打つ時はこんな感じで遠くに飛ばすんだ」とした一方で、「直線的な軌道では打たないこと。そんなことをしたら誰かの喉に当たってしまうよ」と警鐘を鳴らした。

 ロディック氏自身も「キャリアの中で残念ながら一度だけポイントペナルティを取られたことがある」と言う。非常にユニークな動画ではあるが、そこには“人に危害を加えてはいけない”というメッセージがしっかりと込められている。今回の動画を通じて多くの選手たちに正しい怒りの発散方法を身に付けてもらいたいものだ。

文●中村光佑

【PHOTO】ロディック、サンプラス、アガシetc…伝説の王者たちの希少な分解写真/Vol.2
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