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海外テニス

18歳11カ月のアルカラスが史上3番目の若さでマスターズタイトルを獲得「とても特別なこと」<SMASH>

中村光佑

2022.04.04

決勝では23歳のルードと対戦しストレートで勝利したアルカラス。(C)Getty Images

決勝では23歳のルードと対戦しストレートで勝利したアルカラス。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「マイアミ・オープン」(3月23日~4月3日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)は大会最終日の現地4月3日にシングルス決勝を実施。第14シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク16位)が第6シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同8位)を7-5、6-4のストレートで破り、四大大会に次ぐマスターズ1000で初の優勝を果たした。

 準決勝では前回覇者のフベルト・フルカチュ(ポーランド/10位)をストレートで撃破し、マスターズ初の決勝へ駒を進めた18歳のアルカラス。対する23歳のルードは今大会で快進撃を続けていたフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン/103位)との準決勝でストレート勝ちを収め、同じくキャリア初となるマスターズ決勝進出を決めていた。

 両者がツアー公式戦で対戦するのは昨年4月のアンダルシア・オープン(スペイン:マルベージャ/クレー/ATP250)以来2度目。この時はアルカラスがルードをストレートで下していた。

 約1年ぶりの顔合わせとなったこの日の決勝は序盤からアルカラスが第1ゲームからいきなり3ゲームを連取される苦しい展開に。それでも第7ゲームでブレークバックに成功すると、第11ゲームで2度目のブレークを奪って第1セットを先取する。

 第2セットでも勢いに乗るアルカラスは3-0とリードを広げ、第4ゲームでブレークバックを許しながらも終始安定したプレーを披露。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第10ゲームをラブゲームでキープし、1時間52分で優勝を飾った。

 ちなみに18歳11カ月でのマスターズ優勝はマイケル・チャン(アメリカ)、ラファエル・ナダル(スペイン/現3位)に次ぐ男子テニス史上3番目の若さで、マイアミでは19歳10カ月で2007年大会を制したノバク・ジョコビッチ(セルビア/現1位)を抜く史上最年少での優勝だ。
 
 男子テニス界に新たな歴史を刻み込んだ18歳の超新星はたゆまぬ努力が実を結んだことを何よりもうれしく思っているようだ。試合後のインタビューでは「まだ今の気持ちを表現する言葉が見つからない。マイアミで初のマスターズのタイトルを取れたことは、僕にとってとても特別なことだ。今日の勝利とこのチームで一緒にやってこられたことが本当にうれしい」と喜びをあらわにした。

 またマスターズ決勝という大舞台に臨む上で事前に練っていたゲームプランについて、次のように明かしている。

「ルードは強烈なフォアハンドを持っているから、常に彼のバックハンド側にボールを集めてプレーするように心掛けたんだ。彼に試合を支配されないようにね。フォア、バック共にダウンザラインがキーになった」

 一方、あと一歩のところでマスターズ初優勝を逃したルードは表彰式で5歳年下のアルカラスへ祝福と期待の言葉を贈った。

「カルロスを祝福したい。君はもうこれだけ良い選手で、とても若い。この調子でいけば、これからも何度も表彰台に立つことになるだろう。君はとてもナイスガイで努力家だ。君と君のチームの成功を祈っているよ」

 ファンも目を見張るほどの凄まじい成長ぶりで早くもビッグタイトルを獲得したアルカラス。グランドスラム優勝ももはや夢ではないだろう。これからの更なる活躍を大いに期待したいところだ。

文●中村光佑

【連続写真】将来の王者候補アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド
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