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海外テニス

「その成長ぶりはとてつもなく早い」元世界1位のフェレーロ氏が愛弟子アルカラスの可能性について言及<SMASH>

中村光佑

2022.04.05

マイアミOP優勝後に喜びを分かち合ったアルカラス(左)とフェレーロ氏(右)。(C)Getty Images

マイアミOP優勝後に喜びを分かち合ったアルカラス(左)とフェレーロ氏(右)。(C)Getty Images

 前週の「マイアミ・オープン」決勝で第6シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/世界ランク7位)をストレートで破り、四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000で初の優勝を飾った18歳のカルロス・アルカラス(スペイン/同11位)。その彼を2019年から指導している男子テニス元世界1位のファン・カルロス・フェレーロ氏がビッグタイトルを獲得した愛弟子へ称賛と期待の言葉を贈った。

 実はフェレーロ氏は父親のエドアルドさんがマイアミ大会の開幕直前に他界したため、準決勝までは母国スペインに滞在していた。だが決勝では急遽会場に駆け付けた同氏がボックス席から戦況を見守る姿が捉えられ、優勝決定後にアルカラスと抱き合って涙を流した場面はファンの感動を呼んだ。

 今回のアルカラスのマイアミ優勝は19歳10カ月で2007年大会を制したノバク・ジョコビッチ(セルビア/現1位)を抜く史上最年少での大会記録で、18歳11カ月でのマスターズ優勝もマイケル・チャン(アメリカ)、ラファエル・ナダル(スペイン/現3位)に次ぐ男子テニス史上3番目の若さだ。ちなみにアルカラスは昨年9月の全米オープンでもグランドスラム初のベスト8入りを果たしており、ここ最近は目を見張るほどの凄まじい成長ぶりを見せている。

「彼は16歳か17歳で、自分より多少ランキングの高い選手たちと練習していたのを覚えているんだけど、その時からすでにそういった選手たちのレベルに合わせて自分のプレーをすることができていた。彼は何か(特別なもの)を持っていて、その部分を伸ばすために日々努力を続けようとしていた。私はただ彼の可能性を引き出し、物事を良い方向に導いていくだけだった」

 そのように早くからアルカラスの才能を見抜いていたからこそ、フェレーロ氏は今回のマイアミ優勝についても「全く驚いていない」という。
 
 その一方で共に厳しい道のりを経てビッグタイトルをつかみ取ったことを素直に称賛するとともに、愛弟子の豊かな将来性についても語った。

「もちろんその成長ぶりはとてつもなく早いもので、簡単にできることではない。僕が帯同していなかった中でも彼はレベルを保ち続け、試合に集中することができた。彼は素晴らしい1年を過ごすことができると思うよ。グランドスラムが次のステップになると思うが、2週目の終わりまで残ることだってできるだろう」

 それでも最後にフェレーロ氏は「彼はまた集中して練習しなければならない。きっと周りの人が挨拶に来て簡単に集中が切れる状況になるだろう。ここ数日は家で落ち着いて過ごさせて、それからまた戻って普通にトレーニングをする。モンテカルロではいつものようにベストを尽くすだろう」とコメント。未来のナンバー1との周囲の期待から距離を置かせて、練習に取り組み、今後もさらなる高みを目指してほしいと考えているようだ。

 18歳とは思えない驚異的な強さを見せているアルカラス。グランドスラムでの優勝ももはや夢ではない。

文●中村光佑

【連続写真】将来の王者候補アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド
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