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海外テニス

ナダルがウインブルドン準決勝を棄権!腹筋に断裂が見つかり「これでは2試合勝つことはできない」と断念<SMASH>

中村光佑

2022.07.08

急遽7日の記者会見を開いたナダル(写真)は腹筋の断裂によってプレー続行が不可能となりウインブルドン準決勝を棄権することを明かした。(C)Getty Images

急遽7日の記者会見を開いたナダル(写真)は腹筋の断裂によってプレー続行が不可能となりウインブルドン準決勝を棄権することを明かした。(C)Getty Images

 ウインブルドンから非常に残念なニュースが飛び込んできた。

 グランドスラム22度の優勝を誇る男子テニス元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現4位)が、腹部の負傷により現地7月8日に予定されていたニック・キリオス(オーストラリア/40位)とのシングルス準決勝を棄権したのである。

 今季はすでに全豪と全仏を制し、年間グランドスラム(1年で全ての四大大会を制覇すること)の偉業達成も見え始めていた36歳のナダル。

 今大会も初戦から順調に勝ち進んでいたが、6日に行なわれたテイラー・フリッツ(アメリカ/14位)との準々決勝で腹部を負傷。第2セットの中盤ではメディカルタイムアウトを取るシーンも見られた。

 その痛みの中で最終的に4時間21分にも及ぶ激戦を制したナダルだったが、試合後の会見では「ドクターからもらった抗炎症剤を服用した上でプレーをしていた。また詳しく検査する」とコメント。さらに「準決勝の出場は明言できない」とも発言し、多くのファンの間で心配の声が上がっていた。
 
 その後スペインの大手ニュースメディア『MARCA』で「検査の結果、腹筋に7ミリの断裂があったことが判明した」と報じられたナダルは、7日に急遽開かれた記者会見に出席。改めて「腹筋に断裂があることがわかった」と明かした上で、棄権を決断した理由については次のように説明した。
 
「今日(7日)の練習後に棄権することを決めた。このような状況では2試合(準決勝と決勝)続けて勝つことはできないと思ったから決断した」

「サービスが打てないんだ。通常のスピードのサービスが打てないだけでなく、サービスを打つまでの動作もできない。非常にタフな状況下で進み続けようと何度も試みたが、このままプレーを続ければ、このケガがますますひどくなることは明らかだと思う」

 それでも36歳のレジェンドは痛みを抱えながらフリッツとの準々決勝を戦い抜いたことについて「試合を終えることができたのだから、正しい判断だった。僕は試合に勝った。僕は決断を下す時に振り返って『ああするんじゃなかった、こうするんだった』と言うような選手でも人間でもないんだ」と語り、特に後悔はないという。

 一方、思わぬ形でグランドスラム初優勝にあと1つと迫ったキリオスは、7日に自身の公式インスタグラム(@k1ngkyrg1os)を更新。手を合わせる絵文字と共に、「僕たちはみんなあなたが順調に回復して、またすぐに元気な姿を見せてくれることを願っているよ」とナダルを気遣うメッセージを残した。

 初の四大大会決勝進出を決めたキリオスは、現地10日に実施される決勝で大会3連覇中のノバク・ジョコビッチ(セルビア/3位)と地元イギリス勢のキャメロン・ノーリー(12位)による準決勝の勝者と対戦する。

文●中村光佑

【PHOTO】ナダルをはじめウインブルドン2022で活躍する男子選手たちの厳選写真
 
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