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海外テニス

「コート内で苦しめられる何かがあった」。今年現役を引退したロブレドがGOAT論で持論を展開<SMASH>

中村光佑

2022.07.25

キャリアハイは世界5位で今年4月に引退したロブレド(左)は、ナダル(右)との対戦で苦しめられたという。(C)Getty Images

キャリアハイは世界5位で今年4月に引退したロブレド(左)は、ナダル(右)との対戦で苦しめられたという。(C)Getty Images

 長年世界のトップをひた走ってきた男子テニスの”ビッグ3“(フェデラー・ジョコビッチ・ナダル)は3人合わせて63度のグランドスラム優勝(フェデラー:20回、ジョコビッチ:21回、ナダル:22回)を誇る他、数々の輝かしい功績を残してきたことで知られる。もはやテニス界に欠かせない彼らをめぐってあらゆる識者やファンを賑わせてきたのが、誰が史上最高の選手なのかを決める「GOAT(Greatest of All Time)論」だ。

 そんな3人のレジェンドは類まれなるカリスマ性も兼ね備えており、四大大会の優勝回数だけではGOAT論に終止符を打つことができないのが現実だ。今年4月に現役を引退した40歳のトミー・ロブレド(スペイン)氏もそう考えるうちの1人だ。

 このほど応じた英スポーツ専門メディア『Sportskeeda』の独占インタビューで同氏は「(フェデラーがツアーを離れている中で)今のところはラファとノバクがGOATに近い」と前置きしつつも、「グランドスラムでのタイトル数が重要なのか、それともデビスカップや通算の1位在位の週数やその他の要素が重要なのかにもよるが、今のところGOATを決めるのはとても難しい」とコメントした。

 ちなみにロブレド氏は23年のキャリアの中でフェデラーから1勝、ジョコビッチからは2勝をマークした。ところがナダルには7度対戦して全て敗れ、セットを奪ったのもわずか1回と非常に相性が悪かったのだ。その点を踏まえた上で、同郷のナダルが頭一つ抜きん出た存在であることを強調した。
 
「ラファはボールのスピード、フォアハンドのスピン量、左利きであることによる他の選手との違い、そして全てのボールを全力で追いかけるプレーぶりから、対戦相手としては最もタフだった。もちろん他の2人が簡単だとは言わないけど、僕にとってラファは、他の選手よりも対戦した時にコート内で苦しめられるような、何か(特別なもの)があった」

「1年目のラファを見た人は、誰もが彼が偉大な選手になることを理解できたはずだ。その中で彼はさらに上を目指し、世界一とは言わないまでも、最高のスポーツ選手のひとりになった。それは簡単には実現できないことだけど、彼は素晴らしい道のりを歩んだ上でそれを達成した」

 特に今季のナダルは6月の全仏オープンで男子テニス史上最多となるグランドスラム22度目の優勝を成し遂げただけでなく、開幕から20連勝を記録するなど驚異的な強さを見せつけてきた。だがナダルに限らずビッグ3全員が依然として圧倒的な存在感を放ち続けているのは間違いない。GOAT論になかなか決着がつかないのも無理はないだろう。

文●中村光佑

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