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海外テニス

元王者マリーのウクライナへの賞金全額寄付に感銘を受け、ワシントンの大会も「正式に寄付をすること」を発表<SMASH>

中村光佑

2022.08.01

「戦争はまだ続いているんだ」と訴えるアンディ・マリー。(C)Getty Images

「戦争はまだ続いているんだ」と訴えるアンディ・マリー。(C)Getty Images

 ロシアの軍事侵攻で苦しむウクライナの人々を何とか助けたいという想いを胸に、かねてから同国を支援する意志を強く示してきた男子テニス元世界王者のアンディ・マリー(イギリス/現50位/35歳)。今年3月にはウクライナの子どもたちへ向けて、今季出場するツアー大会で獲得した賞金を全額寄付すると表明していた。

 テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、間もなく開幕する男子テニスツアー「シティ・オープン」(8月1日~7日/アメリカ・ワシントン/ハードコート/ATP500)のトーナメントディレクターを務めるマーク・アイン氏は、ウクライナ支援に積極的に取り組むマリーに感銘を受けているという。

 大会開幕に先立つ記者会見で同氏は「今年の初めに彼がウクライナの子どもたちのために賞金の全額をユニセフに寄付すると言った時、スポーツやスポーツに広く関わる全ての人が本当に刺激を受けたと思います」といち早くウクライナ支援に名乗りを上げたマリーを称賛した。

 続けてアイン氏は「アンディがここに来るのであれば、彼の寄付する金額と同等の額を寄付したいと思ったのです」と明かした上で、「我々シティ・オープンも正式に寄付をすることに決めました」と公表した。
 
 アイン氏のこのコメントに対し、シティ・オープンに出場するマリーは会見で「素晴らしいことだと思う」と好意的に反応。最後には改めてウクライナの惨状に心を痛めていることを訴えかけた。

「このことを忘れることはできない。戦争はまだ続いているんだ。人々はまだ殺され、子どもたちはまだ家から逃げなければならず、本当に、本当に悲惨な状況に置かれている」

「メディアがこの戦争に光を当て、議論し続けることが重要だと思う。この大会で行なわれること(寄付)が、少しでもその手助けになればいいと思っているよ」

 なおマリーは日本時間8月2日の午前5時以降に行なわれるワシントン大会のシングルス1回戦で世界108位のミカエル・イマー(スウェーデン)と対戦する。上位に進出できればそれだけ寄付額が増えることにもつながるだけに、マリーには1つでも多く勝ち上がることを期待したい。

文●中村光佑

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