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国内テニス

アルカラスに憧れる川村准椰がスピンのかかった威力のあるボールで全国小学生のタイトルをつかむ<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2022.08.06

右から、優勝:川村准椰(じゅんや)、準優勝:近野司樹(しき)、3位:大垣心太郎(しんたろう)、遠藤栞吾(かんご)。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

右から、優勝:川村准椰(じゅんや)、準優勝:近野司樹(しき)、3位:大垣心太郎(しんたろう)、遠藤栞吾(かんご)。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 小学生の頂点を決める大会、「第40回第一生命全国小学生テニス選手権」が、8月3日~6日にわたり、武蔵野ローンテニスクラブと第一生命相娯園テニスコートで開催された。8月6日には相娯園テニスコートで準決勝・決勝が行なわれ、男子は第5シードの川村准椰が第8シードの近野司樹に勝利して全国初優勝を果たした。

「優勝したいと思っていたけど、まさか現実になるとは思わなかった。初めての全国優勝なのでうれしいです」と喜んだ。

 川村のプレーの魅力は攻撃力。憧れの選手は今最も勢いのあるスペインの「カルロス・アルカラス」というだけあり、十分にスピンのかかったフォアハンドが、幾度となくコートに突き刺さった。決勝の相手の近野は、どんなボールもよく拾い返球してくるが、それを振り切ってエースを奪っていく。「守りもできて攻められた」というのが今大会で好成績を出せた要因である。
 
 第一生命相娯園テニスコートは、今年改修されて、全仏オープンと同じレッドクレーコートに生まれ変わった。もともとクレーコートが好きだという川村にとって、このサーフェスとは相性が良かったのだろう。「ハードコートだと相手のボールが速くなってくるけど、クレーはゆっくりめになるので、色々なボールを混ぜられる」と言う通り、ドロップショットを効果的に使っていた。

 サーフェスをレッドクレーに変えて最初の全国小学生テニス大会で優勝したのが、スピンを好み色々なボールを打つことを心掛けている選手というのは、改修した効果が少なからず表れたといえるだろう。今後も小学生の段階から、3次元でテニスを考えてポイントを取る選手が増えてくれることを願う。

 準優勝となった近野は小柄な選手で、身長は「130センチ後半」。学校のクラスでも小さい方だが、それでも「粘ってチャンスを見つけて相手を崩す」という、自分のできるプレーを貫いて決勝まで上がってきた。身長が伸びるにつれて、できるプレーも変わってくるだろう。今後の成長に期待したい。

◆男子準決勝(丸数字はシード)
近野司樹⑧(茨城・龍ケ崎市立馴柴小)75 62 遠藤栞吾➂(神奈川・藤沢市立鵠沼小)
川村准椰⑤(東京・八王子市立長池小)60 64 大垣心太郎⑥(京都・城陽市立古川小) 
◆男子決勝
川村准椰⑤ 60 62近野司樹⑧ 

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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