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海外テニス

引退目前のセレナ・ウィリアムズが思い出のトロントに別れ!「今度は観光客として訪れます」<SMASH>

中村光佑

2022.08.12

引退へのカウントダウンが始まったセレナが初戦敗退となったトロントに別れを告げた。(C)Getty Images

引退へのカウントダウンが始まったセレナが初戦敗退となったトロントに別れを告げた。(C)Getty Images

 女子テニスツアー「ナショナル・バンク・オープン」(8月8日~14日/カナダ・トロント/ハードコート/WTA1000)は現地8月10日にシングルス2回戦が行なわれ、四大大会23勝を誇る元世界女王のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)が登場。第12シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス/12位)に2-6、4-6で敗れ、3回戦進出を逃した。

 今年6月のイーストボーン国際で右足ハムストリングスのケガから実戦復帰を果たした40歳のセレナは、今大会初戦でラッキールーザーのヌリア・パリサス・ディアス(スペイン/57位)に6-3、6-4で快勝。シングルスでは実に430日ぶりとなるツアーレベルでの勝利を飾っていた。

 ところがその1回戦直後に先日米大手ファッション誌『VOGUE』でセレナが寄稿した内容が公開され、その中で近く現役を退く意向を表明。自身のインスタグラムでも「カウントダウンが始まっています。これからの数週間を楽しむつもりです」と綴っており、間もなく開幕する全米オープン後の引退も予想されている。

 シングルス復帰後初勝利の勢いそのままに上位進出を狙っていたセレナだったが、この日の2回戦は2015年のトロント大会準決勝でも敗れていたベンチッチに試合を通して計3度のブレークを喫し、ストレートで初戦敗退となった。
 
 試合後には特例でセレナへのオンコートインタビューが行なわれ、間もなくキャリアの終焉を迎える40歳のレジェンドは初めに「もっといいプレーができればよかったけど、現実はベリンダが信じられないようなプレーをしたのです」と勝者のベンチッチを素直に称賛。

 続けて「ここ数日、また今夜の試合でもいろいろな感情が渦巻いていました。この24時間は私にとってあわただしいものでした」と明かしたセレナは、涙ながらに過去3度の優勝を誇るトロント大会の思い出を語った。

「ここでプレーするのは大好きだし、この大会も大好きでした。カナダに試合をしに来るのはずっと好きだったのです。ここでは信じられないような試合をして、素晴らしい勝利を収めてきました。大会の中でも外でも、幸せな瞬間がたくさんありました。数年前にはベリンダと(フルセットの)クレイジーな勝負を演じました」

 そして「みなさんを愛しています。そしてこの瞬間も記憶に残ります。今度は観光客として町を訪れるだけになりますが、私はまたここに戻ってくることを約束します。今はこうして皆さんの前にいることにこの上ない喜びを感じています。たくさんの応援をありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、インタビューを締めくくったセレナ。花束を贈られた彼女はファンのスタンディングオベーションに手を挙げて応じながら会場を後にした。

 並外れたパワフルなプレーで長年多くのファンを魅了してきたセレナの引退表明には現役選手からも悲しみの声が広がっている。キャリアに別れを告げるその日まで、彼女のプレーを目に焼き付けておきたいところだ。

文●中村光佑

【PHOTO】プレーの合間に垣間見えるセレナらトッププロの素顔
 

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