専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

25秒ルールで審判に優遇されているというレジェンドの指摘にナダルが反論「冗談だよね? 僕は多くの警告を受けてきた」<SMASH>

中村光佑

2022.09.01

サービスを打つまでの間隔が長いことで知られるナダルだが、時間超過を審判が黙認しているという指摘には真っ向から反論した。(C)Getty Images

サービスを打つまでの間隔が長いことで知られるナダルだが、時間超過を審判が黙認しているという指摘には真っ向から反論した。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」の男子シングルス1回戦で、リンキー・ヒジカタ(オーストラリア/世界ランク198位)に4-6、6-2、6-3、6-3で勝利した元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現3位)。試合後の会見では四大大会7勝を誇るレジェンド、ジョン・マッケンロー氏(アメリカ/63歳)から「25秒のショットクロックのルールを守っていない」と批判を浴びたことに対して持論を展開した。

 試合時間短縮を目的としたポイント間のショットクロックはグランドスラムを含む全ての大会で導入されており、プレーヤーは主審がスコアをコールしてから25秒以内に次のサービスを打たなければならない。無論25秒を超過した場合はペナルティが与えられることになっている。

 ところがナダルはサービスを打つまでのルーティンが非常に長いことで知られ、ヒジカタとの全米初戦でも制限時間を超えてからファーストサービスを打つようなシーンが見られた。それでも主審が警告を言い渡すことはなかった。

 この試合を放送していた欧米スポーツメディア『ESPN』で解説を務めたマッケンロー氏は「ショットクロックの25秒を超えている」とナダルを糾弾。さらには「彼は審判から優遇されているのではないか?」といった疑問も口にしていた。
 
 1回戦後の会見で、ある記者から突如上記のマッケンロー氏の発言を知らされたナダルは珍しく笑みをこぼしながら「それは冗談だよね? 僕はキャリアで多くの警告を受けてきた。審判から優遇されているなんてことはないし、ルールに従っている。ラケットを壊したり、コートを汚したりしてペナルティを受けたことはないが、ショットクロックについては25秒を超えると(確かに)警告を受けている」と一刀両断。

 またナダルは「今はポイント間の制限時間を守るのは難しい」とも考えている。その理由を次のように説明した。

「僕は汗っかきで、今日の試合のようなコンディションではさらに多くの汗をかいてしまうという問題がある。それに今は(新型コロナウイルスの影響で)ボールパーソンがタオルを直接選手に渡せないから、遠くまで自分で取りに行かないといけない。その分だけ時間がかかるから、頻繁にタオルを取りに行かないようにしている」

 ただショットクロックには曖昧な点が多いのも事実で、主審によって25秒を数え出すタイミングが異なることも多々ある。またナダルの言葉にもあるように選手自身がタオルを取りに行くにもかかわらず、25秒以内は守れというのは確かに酷な話だ。まだまだ議論や改善の余地があるのかもしれない。

文●中村光佑

【PHOTO】ナダルをはじめ全米オープン2022で熱戦を繰り広げる男子選手たちの厳選写真!
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号