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海外テニス

テニスへの思いが断ち切れないデルポトロがケガの苦しみを吐露「治療がうまくいかない悔しさは説明しがたい」<SMASH>

中村光佑

2022.09.29

可能な限りの治療を試みるも結果が出ず、走ることすらできないというデルポトロ。その苦悩を語った。(C)Getty Images

可能な限りの治療を試みるも結果が出ず、走ることすらできないというデルポトロ。その苦悩を語った。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランク3位のホアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)がイギリスのタブロイド新聞『The Sun』のインタビューに登場。長年悩まされている右ヒザのケガでテニスをプレーできないことへの苦しい胸の内を明かした。

 2019年6月に右ヒザを負傷して以降、約2年半にわたるツアー離脱を余儀なくされた34歳のデルポトロ。4度にわたる同箇所の手術を経て完全復活を目指していたが、ワイルドカード(主催者推薦)で待望のカムバックを果たした今年2月のアルゼンチン・オープンの記者会見ではついに現役を退く意向を示唆。まだ正式に引退表明したわけではないものの、現在もツアー大会には出場しておらず、すでに世界ランキングからも彼の名前は消えている。

 今月初旬に欧米メディア『ESPN』のインタビューで現役続行への意欲を示していたデルポトロだったが、ヒザの状態はまだ芳しくないという。

「最近スイスに行って別の医者に診てもらい、数人のプロの現役選手に勧められた新しい治療を始めた。でも今のところは一度も良い結果が得られていない。歩くことしかできず、トレッドミル(屋内用トレーニング器具)で走ることさえできない。階段も痛みなく上れないし、長時間の運転もできない」

 再びコートに戻りたいにもかかわらず何度やってもうまくいかない現状に、度重なるケガを乗り越えてきた“不屈の男”も精神的に追い込まれているようだ。「正直テニスのない人生なんて、心理的に受け入れられない。世界3位に上り詰めたのに、突然ヒザを壊して、何もない状態になってしまった」と述べたうえで、デルポトロは長らく抱えている苦悩をこう吐露した。
 
「この3年半は新しい手術や治療法を試みても、何も(良いことが)起こらないのが現実だった。結果が得られないことがわかった後の気持ちがどれほどつらいものか、想像してみてほしい。うまくいかなかった時の悔しさは、説明しがたいものがある。(今も)相変わらず自分をだましながら万全の状態になることを待ち望み、新しい治療法を試すたびに自分を信じている。でもそれが失敗するたびに強いショックを受けてしまう」

 だがその中でもまだ希望を完全に捨てたわけではない。「良くなる方法を探し続けている。自分が今新たに挑戦しているのは、問題を抱えながらも、心理的により良く生きる方法を見つけることだ」とも話した。

 198センチの長身から繰り出される強烈なサービスや豪快なフォアハンドで世界中のファンを魅了し、09年の全米オープンでは悲願のグランドスラム初優勝を飾ったデルポトロ。再びコートを駆け回る姿を見せてもらいたいところだが、そのためには一日も早く最適な治療法が見つかることを祈るばかりだ。

文●中村光佑

【PHOTO】全米OP優勝、リオ五輪銀メダル獲得など輝かしい功績を残したデルポトロのキャリアを厳選ショットで紹介!
 

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