男子テニス元世界ランク３位のスタン・ワウリンカ（スイス／現150位）がフランスのトーク番組『En Aparté』に出演。今年９月のレーバー・カップを最後に現役を引退した同郷のレジェンド、ロジャー・フェデラー氏（元世界１位／41歳）へ向けた感謝の言葉を口にした。

　長らくスイステニス界の発展を支えてきたフェデラー氏を兄貴分として慕っていた37歳のワウリンカ。類まれなる強さを見せてきた２人が2014年のデビスカップでスイスチームの大会初優勝を導いたのはテニスファンの記憶にも新しい。

　また08年の北京オリンピックではペアを組んでダブルスに出場し、見事金メダルを獲得。グランドスラム20勝を誇る“男子テニス界の英雄”とかけがえのない信頼関係を築き上げてきた。

　番組内でワウリンカは「僕がプロデビューした時にすでにテニス界のトップに立っていた」フェデラーとの熱い友情をこう語った。

「彼は僕を弟のように思ってくれていた。彼は僕を助けてくれたし、よく一緒にトレーニングもした。トレーニングでも、大会でも、彼と多くの時間を共に過ごせたのは幸運だった。デビスカップでは、いろいろなことを分かち合った。その後、彼と僕は純粋な友達になった。テニスのキャリアではなく、（オフコートでの）行動や互いに助け合える点で、我々は少しばかり同じレベルにいた」
  　その後ワウリンカは良きライバルであり良き友でもあったフェデラーに対し、「彼には多くの借りがある」と感謝のコメント。

　幾度となく同じコートで素晴らしい瞬間を共有したことにも触れつつ、「彼がいたことによって、（常に）何らかのポジティブなことがあった。彼のおかげで僕は成長し、上達した。彼は僕をたくさん助けてくれた。彼のおかげで、オリンピックとデビスカップで優勝することができた。この２つの大会は僕のキャリアの中で最も大きなハイライトになったよ」と締めくくった。

　フェデラーが引退を発表した直後に自身のSNSで「あなたがいないテニスはこれまでとは同じではない」と複雑な思いを綴っていたワウリンカ。いつもそばで見守ってくれていた“偉大な先輩”の魂を受け継ぎ、まだまだこの先も現役で活躍し続けてほしい。 

文●中村光佑

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