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海外テニス

「今もつらいことはあるわ」“全豪4強”サバレンカがウクライナ侵攻の影響について語る<SMASH>

中村光佑

2023.01.26

全豪4強のサバレンカ。同胞のアザレンカも勝ち進んでおり、両者が準決勝で勝利すれば決勝でベラルーシ勢対決が実現する。(C)Getty Images

全豪4強のサバレンカ。同胞のアザレンカも勝ち進んでおり、両者が準決勝で勝利すれば決勝でベラルーシ勢対決が実現する。(C)Getty Images

 昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻はテニス界に多大なる影響を与えてきた。同年7月のウインブルドンでは、ロシアと同国の軍事攻撃を支援するベラルーシ国籍の選手の締め出しを決行。その他のツアー大会では、中立の立場で2国のプレーヤーの参加を認めているものの、国旗や国名の使用については禁止している。

 現在開催中のテニス四大大会「全豪オープン」の女子シングルスで同大会初のベスト4入りを果たしたベラルーシ国籍のアリーナ・サバレンカ(世界ランク5位)は、現地1月25日に実施されたドナ・ベキッチ(クロアチア/同64位)との準々決勝に勝利した直後の記者会見で、母国が関与するウクライナ侵攻が「もちろん自分にも影響を与えている」とコメント。

 また様々な制限下でツアー転戦を強いられている現状を踏まえ、「大変なこともあったし、今もつらいことはあるわ」とメンタルコントロールの難しさを語った。

 その一方で24歳の彼女は、1日も早い平和の実現のために「私に何かできることがあれば、もちろんそうしたい」と考えているという。それにもかかわらず立場上「何もできない」ことにもどかしさを感じていると明かしたうえで、「今の世界情勢が自分のせいではないことは理解している。それを理解していることは私が強くあるための助けになる」と続けた。
 
 ちなみに今回の全豪では、同郷のビクトリア・アザレンカ(世界24位)が同大会10年ぶりのベスト4入りを決めているが、サバレンカとは反対のドローにいるため、両者が準決勝で勝利すれば優勝決定戦でベラルーシ勢対決が実現することになる。

 これについて問われたサバレンカは「本当にそれ(ベラルーシ人選手同士の決勝)が実現してほしい。ヴィカ(アザレンカ)は、そのために全力を尽くしてくれると思うわ。私もそのために全力を尽くすつもりよ。もしそれが実現すれば私たちが歴史を作ることになるだろうけど、そんなことが実際に起こるなんて信じられないし、実感がわかないと思う」と答えた。

 なお、ベキッチに勝利したサバレンカは決勝進出を懸け、現地1月26日に行なわれる準決勝で世界45位のマグダ・リネッテ(ポーランド)と対戦する。

文●中村光佑

【PHOTO】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げるサバレンカら女子選手たちの厳選写真!
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