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海外テニス

憶測を呼んだジョコビッチのケガを全豪ディレクターが真実だと証言「確かに太ももに3センチの断裂があった」<SMASH>

中村光佑

2023.02.02

驚異的な回復力で全豪優勝を果たしたジョコビッチだが、大会序盤は太もものケガに苦しんだ。大会ディレクターがその証拠を明かした。(C)Getty Images

驚異的な回復力で全豪優勝を果たしたジョコビッチだが、大会序盤は太もものケガに苦しんだ。大会ディレクターがその証拠を明かした。(C)Getty Images

 先週行なわれたテニス四大大会「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の男子シングルスで同大会の最多優勝記録を10に更新するとともに、四大大会最多タイとなる22度目の優勝を成し遂げた世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。だがそれまでの道のりは決して平たんではなかった。その理由は左太もものケガを抱えながらの戦いを強いられたからだ。

 ジョコビッチはキャリア92度目のATPツアー優勝を果たした年明けのアデレード国際(オーストラリア・アデレード/ハードコート/ATP250)の準決勝でダニール・メドベージェフ(ロシア/現12位)と対戦した際に左太ももを負傷。メルボルン入りした直後の公式練習を途中で取りやめるなど状態が心配されていた。

 それでも全豪が開幕してからは同箇所に大きなテーピングを施しながらもケガの影響を全く感じさせない素晴らしいプレーで勝ち上がり、迎えた決勝でもトップ5プレーヤーのステファノス・チチパス(ギリシャ/大会時4位/現3位)をストレートで破って優勝。ちなみに1回戦から決勝までで失ったセット数はわずか1だった。

 その一方でしきりに左太ももを気にする仕草を見せながらも全てのラウンドで抜群のパフォーマンスを披露したが故に、各方面から「ケガを装っているのではないか?」といった声が続々と上がっていた。それに対し、当のジョコビッチは大会中の会見で「今大会はケガのことばかり質問される。他の選手がケガをしたら“気の毒に”となるのに、僕の場合はケガのフリをしていると言われる。でも、何かを証明する必要はないと思う」と反論し、疑惑を否定していた。
 
 そんななかで全豪のトーナメントディレクターを務めるクレイグ・タイリー氏が、同選手の左太もものケガが真実であると明確に主張している。このほど応じたオーストラリアのスポーツメディア『SEN Sportsday』のインタビューで同氏は「彼(ジョコビッチ)の検査画像を見せてもらった」と述べたうえで、「確かに太ももに3センチの断裂があった。医師は噓をつかないだろう。いろいろな憶測が飛び交いはしたが」と続けた。

 そして最後にタイリー氏は、苦境に立たされながらも金字塔を打ち立てた35歳の鉄人をこう称えた。

「あのようなケガをしながら優勝をやってのける選手がいるとは信じがたいが、彼は驚くべき存在だ。彼は、1日1分1秒を争うほど、全てのことに集中している。何を食べ、何を飲み、いつ、どのように取り組んでいくのか。彼がやっていることに、精神的な衰えは全くない。全豪を10度制覇するなんて、二度とできないことだと思う」

 全豪優勝後には観客席で戦況を見守っていた家族やサポートメンバーと共に、人目をはばからず涙を流したジョコビッチ。あのシーンにこそ彼の苦労や葛藤が如実に現れていたと言えるだろう。今後も若手に引けを取らないプレーでさらなる活躍を期待したい。

文●中村光佑

【PHOTO】優勝のジョコビッチをはじめ、全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真!
 

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