12月15日から３日間にわたって開催された男子テニスのエキジビションマッチ「アルティメット・テニス・ショーダウン（UTS）」（イギリス・ロンドン／ハードコート）に出場した世界ランク５位のアンドレイ・ルブレフ（ロシア）が、大会期間中のインタビューに回答。間もなく１年ぶりのツアー復帰を迎える元世界王者のラファエル・ナダル（スペイン／現666位）に言及し、「彼がツアーを離れている時は自由に感じる」とジョークを交えて率直な気持ちを口にした。

　四大大会22度の優勝を誇る37歳のナダルは、2023年１月の全豪を最後に股関節のケガでツアーを離脱。同箇所の手術を経て、現在は練習の強度もかなり上げてきており、12月初めには24年シーズン開幕戦の「ブリスベン国際」（23年12月31日～24年１月７日／オーストラリア・ブリスベン／ハードコート／ATP250）での戦線復帰を発表した。

　間近に迫る鉄人のカムバックについては、一回り年下のルブレフも「テニス界にとって素晴らしいことだ。彼は多くの観客、ファンを呼び込むだろう」と歓迎の意を表している。一方でナダルの完全復活を恐れているのか、「明らかに、彼がツアーにいない時の方が自由を感じるね（笑）」と冗談めかしてコメントした。
  　それでもやはりルブレフもテニスファンと同じくナダルの復帰を喜んでおり、ナダルと現王者のノバク・ジョコビッチ（セルビア）のガチンコ対決が再び実現することも期待していると語る。「中でもラファとノバクのライバル関係はテニス界で多くの注目を集めるだろう。（あれだけケガに苦しんだ）彼が復帰するなんて信じられないよ」と締めくくった。

　ちなみにルブレフはナダルと過去３度対戦して１勝２敗と負け越しているが、その１勝はナダルが11度もの優勝を経験している毎年４月開催の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」（モナコ・モンテカルロ／クレーコート／ATP1000）で挙げている。21年の同大会準々決勝でルブレフは6-2、4-6、6-2のフルセットでナダルを撃破。“赤土の王者”とも称されるレジェンドから価値ある勝利を手にしていた。

　今回のインタビューでは少々弱気？ とも取れる発言もあったルブレフだが、確かにナダルはこれまで幾度となくケガから見事な復活を遂げていることもあり、その気持ちは十分に理解できる。まずはナダルがブリスベンの舞台でどのようなプレーを見せるのか非常に楽しみだ。そしてぜひともまたルブレフとナダルの対決も見てみたい。

文●中村光佑

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