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海外テニス

「何を言っているのか理解できなかった」右手首負傷のジョコビッチがトレーナーのメディカルタイムアウト拒否に憤慨!<SMASH>

中村光佑

2024.01.04

「ユナイテッド・カップ」の初戦から右手首に違和感を抱えていたというジョコビッチ。準々決勝のデミノー戦では主審に「ケガが良くなりつつあると聞いていた」ことを理由に治療を拒否された。(C)Getty Images

「ユナイテッド・カップ」の初戦から右手首に違和感を抱えていたというジョコビッチ。準々決勝のデミノー戦では主審に「ケガが良くなりつつあると聞いていた」ことを理由に治療を拒否された。(C)Getty Images

 2024年シーズンの開幕戦として開催されている男女混合のテニス国別対抗戦「ユナイテッド・カップ」(12月29日~1月7日/オーストラリア・パース、シドニー/ハードコート)は、現地1月3日にセルビアとオーストラリアによる準々決勝を実施。世界王者のノバク・ジョコビッチ(36歳)率いるセルビアは3連敗を喫し、準決勝進出を逃した。

 男女のシングルス1試合ずつと混合ダブルス1試合のフォーマットで行なわれている今大会、セルビアは23年シーズンに8度目の年間1位を達成したジョコビッチを筆頭に勝ちを重ねて決勝トーナメントへ進出。ジョコビッチは中国とのグループリーグ初戦のシングルス第1試合でジャン・ジジェン(世界ランク58位)に6-3、6-2のストレートで快勝。チェコとの第2戦のシングルス第2試合ではイリ・レヘチュカ(31位)に6-1、6-7(3)、6-1のフルセットで勝利していた。

 ジョコビッチは本命のシングルスに加え、混合ダブルスにも積極的に参加。1日の中国戦ではオルガ・ダニロビッチ(シングルス121位)とのペアで勝利を飾るなど母国の上位ステージ進出に大きく貢献した。だがそんなジョコビッチに今、“ある懸念”が生じている。

 スペインメディア『Punto de Break』によると、ジョコビッチは右手首の違和感を抱えながら今大会を戦っていたという。ジジェンとの試合中から同箇所を気にする仕草を見せていたジョコビッチは、翌々日のレヘチュカとの試合で数回トレーナーの応急処置を要求。オーストラリアとの準々決勝ではやはり手首の状態が良くなかったのか、アレックス・デミノー(12位)とのエース対決に4-6、4-6で敗れ、チームも3試合全敗で準々決勝敗退となった。
 
 ちなみにこの日も単複で出場を予定していたジョコビッチだったが、最終試合の混合ダブルスは欠場。記者会見では手首の故障を言い訳にすることなく「彼は序盤から非常に堅実だった。彼は勝利に値した」と素直に勝者のデミノーを称えた。

 その後ジョコビッチはデミノーとの試合中にメディカルタイムアウト(以下MTO)をめぐって複雑な状況に見舞われたとコメント。詳細を次のように説明している。

「僕がMTOを要求した時、トレーナーは『すでにケガを抱えている場合でないと、そのようなリクエストはできない』と言ってきた。僕は彼が何を言っているのか理解できなかった。彼は『僕のケガが良くなりつつあると聞いていたから、MTOを求めることはできない』と言ったんだ。確かに試合前には手首の状態が改善してきていたが、昨日(レヘチュカ戦)と今日の試合中に悪化して、治療が必要だと伝えた。でも彼は許可してくれなかった」

 それでも11度目の優勝を狙うシーズン最初の四大大会「全豪オープン」(1月14日~28日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)に向けては、「手首は大丈夫だろう」と強調。「全豪までに回復とトレーニングを継続し、コンディション改善に努めるよ」と締めくくった。

 パリ五輪が開かれる今季は男子選手史上初の年間ゴールデンスラム(1年で全ての四大大会と五輪を制覇すること)が懸かるジョコビッチ。とにかく手首のケガが悪化しないことを祈るばかりだ。

文●中村光佑

【動画】ジョコビッチ対デミノー!「ユナイテッド・カップ」準々決勝のハイライト

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