専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

キリオスが手首負傷のジョコビッチに関してATPを批判!「毎週使用球を変えていることで影響が出てた」<SMASH>

中村光佑

2024.01.05

キリオス(右)は今回のジョコビッチ(左)のケガは頻繁に変わる試合球による影響が大きいと主張する(写真は2023年全豪OP)。(C)Getty Images

キリオス(右)は今回のジョコビッチ(左)のケガは頻繁に変わる試合球による影響が大きいと主張する(写真は2023年全豪OP)。(C)Getty Images

 2024年シーズンの開幕戦として開催されている男女混合の国別対抗戦「ユナイテッド・カップ」(12月29日~1月7日/オーストラリア・パース、シドニー/ハードコート)で手首のケガを負い、状態が心配されている世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。その彼と親交が深い元世界13位のニック・キリオス(オーストラリア)は、近年大きな問題となっている“大会使用球の度重なる変更”がジョコビッチの手首のケガにつながったと指摘している。

 今大会は男女のシングルス1試合ずつと混合ダブルス1試合のフォーマットで行なわれており、WTA(女子テニス協会)の公式サイトによれば、パースとシドニーの2会場とも2週間後に開幕するシーズン最初の四大大会「全豪オープン」(1月14日~28日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)で使用されるダンロップ製のボールを採用しているという。

 セルビア代表として出場したジョコビッチは、中国とのグループリーグ初戦のシングルス第1試合でジャン・ジジェン(世界ランキング58位)に6-3、6-2のストレートで快勝。チェコとの第2戦のシングルス第2試合ではイリ・レヘチュカ(同31位)に6-1、6-7(3)、6-1のフルセットで勝利していた。

 だがスペインメディア『Punto de Break』によると、ジョコビッチは右手首の違和感を抱えながら今大会を戦っていたようだ。レヘチュカ戦後には「大きな懸念はない」と明かしていたジョコビッチだったが、既報の通り現地1月3日に実施されたオーストラリアとの準々決勝ではやはり手首の状態が良くなかったのか、アレックス・デミノー(同12位)とのエース対決に4-6、4-6で敗戦。チームも3戦全敗で準々決勝敗退となった。
 
 ジョコビッチの手首の負傷を知ったキリオスは3日、自身の公式X(@NickKyrgios)を更新。最近はチャレンジャー(下部大会)を含め大会ごとに使用球が変更されていることがケガの一因になっていると主張した上で、ATP(男子プロテニス協会)への抗議の言葉を綴った。

「毎週使用球を変えていることでとうとうノバクの手首にも影響が出てしまった。ATPはその問題について本当に何らかの対策をとる必要がある。プレーヤーは常に苦しんでいる」

 このキリオスの投稿には「ジョコビッチがケガをしたからデミノーが勝てたと言いたいのか?」といったコメントも寄せられたようだが、キリオスはこれをきっぱりと否定。同投稿では「俺がアレックス(デミノー)を正当に評価していないと言ってくる人はただの愚か者だ。彼は素晴らしいプレーヤーであり、彼は全ての成功に値する」と勝者を称えている。

 ちなみにジョコビッチ本人も潔く負けを認めており、試合後の会見では「彼は素晴らしい試合をしたし、勝利に値するプレーをしていた」とデミノーを素直に祝福した。

 とはいえ多くの選手から批判の声が上がっている使用球の変更が、昨年も数多くの試合を戦ったジョコビッチの手首のケガにつながった可能性は十分に考えられる。とにかく今はこれ以上ケガ人が増えないよう祈るしかない。

文●中村光佑

【PHOTO】準優勝のキリオスはじめ、ウインブルドン2022で活躍した男子選手たちの厳選写真!

【PHOTO】有明に世界レベルのテニスがやって来た! 2022楽天ジャパン・オープンでのキリオスらのプレー

【関連記事】キリオスが2年連続で全豪オープン欠場を決断!「胸が張り裂けるような思いだ」と無念の心中を吐露<SMASH>

 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号