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国内テニス

春のテニス早慶戦、女子は早大が快勝! ダブルスで流れをつかみ一気に突っ走る<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2024.06.17

春の早慶戦、女子は早大が快勝した(左上)。チームを牽引した早大の主将、齋藤優寧(右)。慶大で唯一の白星を挙げた大橋麗美華(左下)。写真:スマッシュ編集部

春の早慶戦、女子は早大が快勝した(左上)。チームを牽引した早大の主将、齋藤優寧(右)。慶大で唯一の白星を挙げた大橋麗美華(左下)。写真:スマッシュ編集部

 伝統の「早慶対抗庭球試合」(早慶戦)が、6月15日、16日に慶應義塾大学日吉蝮谷テニスコート(横浜市)で行なわれた。テニスの早慶戦は春と秋の年2回開催され、今回で男子第197回・女子第111回を迎える。インカレや大学王座など全国につながる大会ではないが、両大学の部員や関係者にとっては何よりも重要な“負けられない戦い”だ。

 女子はダブルス2本、シングルス5本の3セットマッチ7試合制。令和に入ってからは慶大が6勝3敗とリードしているが、昨年は早稲田大学が春秋とも勝利しており、どちらが優位とは判断しがたい状況だ。

 試合の趨勢を決めたのは、初日のダブルスだった。早大はD2田邑来未/小高未織がフルセットで勝利したのに加え、D1でも齋藤優寧/金子さら紗が大橋麗美華/中島玲亜に6-0、6-4で大勝。大橋/中島は昨年のインカレ準優勝ペアであり、慶大としては取りたい星だった。

 今年から慶大を率いる原荘太郎新監督がチーム事情を明かす。「ダブルスの軸が早めに崩れ、後手に回ってしまった。うちはシングルスのNo.4、5が経験のない2人だったので、ダブルスを1-1か2-0にして上位3本につなげたかったが、早めに勝負を決められて相手のプレッシャーも解けてしまった」

 逆に早大の石井弥起監督は「ダブルスは不安があったが、プレッシャーをはねのけて2-0にしたのは大きかった。特にNo.1は相手も力があるし、あの勝ちは素晴らしかった」と今回の鍵に挙げる。
 
 翌日のシングルス、のびのびとプレーできた早大は一気に突っ走る。S4の金子とS5のルーキー小高が快勝してチームの勝利を決めると、S3齋藤、S2田邑も続いて怒涛の6連勝。慶大はエース対決で昨年のインカレ準優勝者、大橋が一矢を報いるが、計6勝1敗で早大に軍配が上がった。

 一時期は低迷した早大女子だが、石井監督によれば「今年のチームは自分たちで色んなことを考えるようになったのが、去年とは変わった点」だという。「例えば下級生が練習メニューを考える日を作ったり、戦い方を考えたり、意見を言い合ったりしている」ことで、自立心が芽生えてきたそうだ。

「今回は実力を出せたと思う」と石井監督。普段から培ってきた自立心が試合にも生きたということだろう。これで通算の対戦成績は早大の65勝46敗となった。

◆女子結果
×慶應義塾大学[1-6]早稲田大学○
D1:×大橋麗美華/中島玲亜[0-6 4-6]齋藤優寧/金子さら紗○
D2:×西飛奈/田島楓[3-6 6-3 1-6]田邑来未/小高未織○
S1:○大橋麗美華[6-3 6-1]宮田萌芳×
S2:×中島玲亜[7-5 1-6 3-6]田邑来未○
S3:×西飛奈[2-6 2-6]齋藤優寧○
S4:×渡邊多笑[4-6 1-6]金子さら紗○
S5:×菅原悠[3-6 4-6]小高未織○

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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