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国内テニス

【インカレ男子】無冠の大器、高悠亜がついに大学初タイトル!「めっちゃうれしい!今年は絶対優勝したかった」<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2024.08.19

悲願のインカレタイトルを手にした高悠亜は渾身のガッツポーズ(左)。同じ日大3年の丹下颯希が準優勝(右上)。ダブルス優勝の菅谷/有本と準優勝の手嶋/石垣(右下)。写真:スマッシュ編集部

悲願のインカレタイトルを手にした高悠亜は渾身のガッツポーズ(左)。同じ日大3年の丹下颯希が準優勝(右上)。ダブルス優勝の菅谷/有本と準優勝の手嶋/石垣(右下)。写真:スマッシュ編集部

 男子第92回・女子第68回を迎えた「2024年度 全日本学生テニス選手権大会」(インカレ)が8月12日から三重県・四日市テニスセンターで開催され、大会最終日の18日に各種目の決勝が行なわれた。男子シングルスは第3シードの高悠亜と第4シードの丹下颯希という日本大学3年生同士の対決となり、高が6-4、6-1で快勝して初の栄冠を手にした。

 優勝が決まった瞬間、ラケットを放り投げ、派手なガッツポーズを見せた高。それは大変な喜びようだった。「めっちゃうれしい! 去年はベスト4で悔しい負けだったので、今年は絶対に優勝しようと思っていた。それがかなってとてもうれしい」

 これまで関東学生やインカレで何度も上位に入りながら、どうしてもタイトルに届かなかった高が、ついに頂点に立った。学生離れしたフォアの強打とサービスを持つ大器。しかし初タイトルは、そうしたパワーで押すテニスに頼らなかったのが勝因だった。

 相手は日大の同期で手の内を知り尽くした丹下だ。高は言う。「相手は速いテンポが得意なので、それに合わせず、バックのスライスを使ってゆっくりのテンポに変えた。それをフォアの強打と混ぜてプレーした」

 その作戦が見事にハマった。丹下はフォア、バック両手打ちから早いタイミングで打ち込むフラットショットを武器にする。それで相手を押し込み、ネットを奪うのが必勝パターンだ。しかし「高のスライスがキレていて、ネットに出づらかった。フォアのスピードとバックのスライスの緩急で、自分の速いテンポのラリーを作れなかった」と丹下は脱帽する。
 
 試合は攻めと守りをうまくコントロールした高がペースを握り、常に先にブレークしてリードする展開。丹下も2度ブレークバックして追いすがったが、そのたびに高が突き放し、最後は5ゲーム連取で一気に頂点に駆け上った。

 これまで届かなかった優勝を、ついに手にした高。どこが変わったのかを問うと、「一番は体力面」と答えた。「去年はほぼ毎試合、足をつっていたけど、今回は身体の問題はなく、最後までいいプレーができた。この1年、トレーニングを頑張りました」

 ダイナミックな強打に目が行きがちだが、地道に積み重ねた努力と、冷静な判断力が、高を1つ上のレベルへと引き上げた。

 なお男子ダブルス決勝は、第6シードの有本響/菅谷優作(慶應義塾大学3年/3年)が第5シードの石垣秀悟/手嶋海陽(日大4年/4年)を6-3、6-4で破り初優勝。インターハイ王者の有本/菅谷だが、大学ではなかなか結果が出ず、これが初タイトルとなった。「3年間やり続けて、やっと持ち味が出て優勝でき、うれしい」(菅谷)、「大学ではかなり苦労したが、これですごく自信になった」(有本)と喜びを噛みしめていた。

◆男子シングルス決勝
高悠亜(日大)[3]  6-4 6-1 丹下颯希(日大)[4]

◆男子ダブルス決勝
有本響/菅谷優作(慶大)[6] 6-3 6-4 石垣秀悟/手嶋海陽(日大)[5]

 ※[ ]内の数字はシード順位

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

【画像】2024年度全日本学生テニス選手権、シングルス&ダブルス決勝スナップ集

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