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海外テニス

【雑草プロの世界転戦記26】ヨーロッパで視野が広がる! 一度はテニスの生まれ育った場所に行こう<SMASH>

市川誠一郎

2024.09.14

国内外の選手仲間たちとのスナップ。ヨーロッパに足を運ぶことでテニスの奥深さを学べ、選手やコーチとのつながりも生まれ、自身の成長につながると市川氏は言う。写真提供:市川誠一郎

国内外の選手仲間たちとのスナップ。ヨーロッパに足を運ぶことでテニスの奥深さを学べ、選手やコーチとのつながりも生まれ、自身の成長につながると市川氏は言う。写真提供:市川誠一郎

 25歳でテニスを始め、32歳でプロになった市川誠一郎選手は、夢を追って海外のITF(国際テニス連盟)大会に挑み続ける。雑草プレーヤーが知られざる下部ツアーの実情や、ヨーロッパのテニス環境を綴る転戦記。

―――◆―――◆―――

 テニスというのはヨーロッパで生まれたスポーツです。日本料理は日本に来なければ本物が味わえないように、テニスはヨーロッパに来てこそ全体像が見えてきます。

 テニスを本当に愛している皆さん、ぜひ一度ヨーロッパに来てテニスをしてください。

 テニスがどのように生まれ、育まれてきたのかを見て、日本にいた時とは違うテニスの素晴らしさや美しさ、深く根差しているものを感じれば、はるかに広くテニスを捉えられるようになると思います。

 本格的にトレーニングをするとなればお金はかかりますが、これまで書いてきた通り、大きなアカデミーではなく現地のテニスクラブで練習する方法もあります。いわゆるエージェントの斡旋でテニス留学するのに比べて、圧倒的に安く活動できるはずです。

 それに大きなアカデミーは設備こそ立派ですが、よほどのトップ選手でない限り有名コーチの指導など受けられず、ベルトコンベア式のマニュアル指導を受けることになります。小さなテニスクラブで練習した方がきめ細やかな指導も受けられるし、人のつながりも得られ、よりヨーロッパのテニスを感じることができます。
 
 お金がなくても、本当に行きたい人が本気で探せば、工夫次第で方法は見つかります。探せば安いアパートだってありますよ!

 日本にいたらローカルな情報は手に入りづらいですが、ひとたび現地に行って様々な場所に顔を出せば、1カ月もしないうちに幾つかローカルのテニスクラブを見つけられるでしょう。

 あちこちにいいコーチはたくさんいるし、ヨーロッパにはかつてグランドスラムに出たような選手、日本なら神様みたいに扱われる選手が散らばっています。彼らは普通にテニスをしているし、一緒にプレーする機会もあるのです。

 特別なクラブである必要は全くありません。

文●市川誠一郎

〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動開始。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。2023年5月、初のATPポイントをダブルスで獲得。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。

【PHOTO】雑草プロの世界転戦記・ヨーロッパのテニスアカデミーでの日常風景

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