前回は全日本テニス選手権を活性化させるために、大会フォーマットを変える話を書きました。日本のトップ選手が出場できるようなフォーマットにすることの提案でした。
現在の全日本のドローを見て、なぜトップ選手が出場しないのか、疑問に思う人もいるかもしれません。選手たちも、日本で試合ができる機会は少ないので、自分が1年間積み上げてきたものを見せる機会があればうれしいという気持ちは根底にあるものです。日本人としてプレーしている以上、日本企業のスポンサーもあるはずなので、自分の成長した姿を日本で見せられる場があるのは、プラスになることでもあります。
ただ、バランスの問題です。タイトなスケジュールの中に、世界ランキングのポイントが付かない大会を加える余裕があるのか。シーズン終盤の疲労が溜まっている時期に、全日本の日程をプラスする余力があるのか。そして、世界のツアーで戦っている選手が、全日本に出場するとなると、負けるわけにはいかないというプレッシャーも出てきます。
ツアーの試合と全日本の試合は本当に別物です。ツアーではパワーのあるボールがくるので、それに対応するテニスが出来上がっています。しかし、全日本になると来るボールの質が違いますし、攻撃してくる選手が少ないため、プレーを調整しなくてはいけません。どう戦うかと言う、心と頭の準備をしておかないと、足元をすくわれる結果になってしまうわけです。
だからこそ、トップ選手が全日本に出場するのを躊躇する気持ちもわからなくはありません。しかし、「天皇杯」と名前が付いている「日本一」を決める大会が、あまり注目もされずに観客も少ない中で行なわれるのは寂しいものがあります。
現状のままでトップ選手の出場を期待するのは無理があると思います。この20~30年でテニス界が変わっている中、全日本はあまり変わらず、将来を見据えた方向性を作り上げてこられませんでした。そろそろ明確な意図を持って、変わってもいいのではないでしょうか。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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現在の全日本のドローを見て、なぜトップ選手が出場しないのか、疑問に思う人もいるかもしれません。選手たちも、日本で試合ができる機会は少ないので、自分が1年間積み上げてきたものを見せる機会があればうれしいという気持ちは根底にあるものです。日本人としてプレーしている以上、日本企業のスポンサーもあるはずなので、自分の成長した姿を日本で見せられる場があるのは、プラスになることでもあります。
ただ、バランスの問題です。タイトなスケジュールの中に、世界ランキングのポイントが付かない大会を加える余裕があるのか。シーズン終盤の疲労が溜まっている時期に、全日本の日程をプラスする余力があるのか。そして、世界のツアーで戦っている選手が、全日本に出場するとなると、負けるわけにはいかないというプレッシャーも出てきます。
ツアーの試合と全日本の試合は本当に別物です。ツアーではパワーのあるボールがくるので、それに対応するテニスが出来上がっています。しかし、全日本になると来るボールの質が違いますし、攻撃してくる選手が少ないため、プレーを調整しなくてはいけません。どう戦うかと言う、心と頭の準備をしておかないと、足元をすくわれる結果になってしまうわけです。
だからこそ、トップ選手が全日本に出場するのを躊躇する気持ちもわからなくはありません。しかし、「天皇杯」と名前が付いている「日本一」を決める大会が、あまり注目もされずに観客も少ない中で行なわれるのは寂しいものがあります。
現状のままでトップ選手の出場を期待するのは無理があると思います。この20~30年でテニス界が変わっている中、全日本はあまり変わらず、将来を見据えた方向性を作り上げてこられませんでした。そろそろ明確な意図を持って、変わってもいいのではないでしょうか。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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