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海外テニス

アルカラスの不調はパリ五輪の敗戦が原因か? フェデラーらを指導した名コーチが「彼は打ちのめされたと思う」と持論<SMASH>

中村光佑

2024.11.24

今夏のパリ五輪決勝でジョコビッチに敗れ銀メダルに終わったアルカラス。大きな成果を挙げたが、「乗り越えなければならなかった」とフェデラー氏の元コーチが語った。(C)Getty Images

今夏のパリ五輪決勝でジョコビッチに敗れ銀メダルに終わったアルカラス。大きな成果を挙げたが、「乗り越えなければならなかった」とフェデラー氏の元コーチが語った。(C)Getty Images

 かつてピート・サンプラス(アメリカ/元1位)やロジャー・フェデラー(スイス/元1位)ら名選手を指導した名将ポール・アナコーン氏(アメリカ/61歳)が、テニス系ポッドキャスト『Inside-In』に出演。その中で21歳のニューヒーロー、カルロス・アルカラス(スペイン/現3位)が今季終盤に失速したことについて、「パリ五輪決勝で敗れたことが起因となったのではないか」と分析した。

 今季のアルカラスは3月の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)で大会連覇を果たすと、6月の「全仏オープン」と7月の「ウインブルドン」の四大大会2大会でタイトルをゲット。しかしパリ五輪決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア/元1位/現7位)に敗れてから歯車が狂い始めた。

 中でも夏の北米ハードシーズンは「シンシナティ・オープン」(ATP1000)で初戦敗退、全米オープンでも2回戦敗退と結果を残せず。9月の「北京オープン」(ATP500)で今季4勝目を飾ったものの、10月の「上海オープン」(ATP1000)は準々決勝敗退、11月の「パリ・マスターズ」(ATP1000)も3回戦敗退と振るわなかった。さらには先日出場したシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」でもラウンドロビン(予選)で敗退し、2年連続のベスト4進出を逃していた。
 
 アナコーン氏は金メダルへの大きな期待を寄せられていたパリ五輪で頂点に立てなかったことが、以降のアルカラスのパフォーマンスに影響を与えたのではないかと自身の考えを示す。

「今の彼(アルカラス)は自分をやる気にしてくれるものを見出して、それを貫かなければならない。アルカラスは幸せな選手だと思うが、今年は様々な理由から、彼はその喜びを少し失っていたように思う」と前置きし、こう続けた。

「今年彼が乗り越えなければならなかった最大の試練の一つは、“五輪で銀メダルを獲得した”という結果だったと思う。それは彼にとって最大の成果の一つでもあった。もちろん素晴らしい成果ではあるが、五輪で(あのような結末になって)彼は少々打ちのめされたと思うし、残りの夏の期間はそれが少し影響したとも思う」

 以前からシーズン終盤に失速しがちな傾向があったとはいえ、確かに五輪以降のアルカラスはどこか精彩を欠いていた印象を受ける。おそらくまだ課題は山積みなのだろうが、少しずつでもそれらを克服してくれることを期待したい。

文●中村光佑

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