テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。
本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。
* * *
メンタルとは、人生を豊かに生きていくためのマネージメントのことです。私たちはこの世に生を受け、たくさんの人たちから教育(勉学)やメンタル面の指導を受けてきたり、社会生活や友人関係などから多くの教訓も学んできました。
またテニスを通じて、勝つことの難しさや応援される喜びも経験してきています。
そこで自分の生き方を他者との関係も踏まえて考えてみたいと思います。数年前に、「来年の生き方は『愛と矜持(きょうじ)』ですよ!」と、北海道の旭川でテニスの普及と育成に尽力されている宮原コーチが話されていたのを思い出しました。
「愛」とは何か? マザーテレサの言葉を借りると「愛の反対は憎しみではなく無関心です」。ならば愛とは、全てのことに関心を持つことと解釈できます。人は何かに関心を持ち続けると見えなかったものが見えるようになってきます。例えば「優しさと思いやりの心」で人が変わることを知り、何かに気付くことができるのです。
一方、「矜持」と何か? 辞書を引くと「自分の能力を優れたものとして誇る気持ち」とあります。自尊心やプライドとも同義語で「自分の才能や仕事に対して自信を持ち誇りに思う心」のことです。自尊心を持つことでポジティブな発言や行動が生まれてきます。当然のことですが、自尊心が高い人は、他者の自尊心も大切にします。
しかし統計によると、私たちの思考の80%はネガティブな思考だと言われています。そこで必要になってくるのが、日々の思考トレーニングです。
まずは他者の長所を発見することから始めましょう。本当は、長所しか見ないことが理想的です。その積み重ねが自分自身の長所に気付くことにつながっていきます。テニスでは仲間の人間性やプレースタイルに興味を持つことからスタートです。試合では相手に敬意を払い、精一杯のプレーを心掛けます。プライドを持って戦う、それがいい戦いの基本です。
生きるマネージメントの中に「愛と矜持」をしっかり育てたいものです。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年6月号から抜粋・再編集
【画像】ズベレフ、アルカラスら、なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子
【関連記事】1日3分間のメンタル強化法 第24回、自分だけの“方程式”を作り、本質を見失わないようにしよう<SMASH>
【関連記事】1日3分間のメンタル強化法 第23回、三業の教えから“美しい所作”を学び、気持ち良くプレーしよう<SMASH>
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メンタルとは、人生を豊かに生きていくためのマネージメントのことです。私たちはこの世に生を受け、たくさんの人たちから教育(勉学)やメンタル面の指導を受けてきたり、社会生活や友人関係などから多くの教訓も学んできました。
またテニスを通じて、勝つことの難しさや応援される喜びも経験してきています。
そこで自分の生き方を他者との関係も踏まえて考えてみたいと思います。数年前に、「来年の生き方は『愛と矜持(きょうじ)』ですよ!」と、北海道の旭川でテニスの普及と育成に尽力されている宮原コーチが話されていたのを思い出しました。
「愛」とは何か? マザーテレサの言葉を借りると「愛の反対は憎しみではなく無関心です」。ならば愛とは、全てのことに関心を持つことと解釈できます。人は何かに関心を持ち続けると見えなかったものが見えるようになってきます。例えば「優しさと思いやりの心」で人が変わることを知り、何かに気付くことができるのです。
一方、「矜持」と何か? 辞書を引くと「自分の能力を優れたものとして誇る気持ち」とあります。自尊心やプライドとも同義語で「自分の才能や仕事に対して自信を持ち誇りに思う心」のことです。自尊心を持つことでポジティブな発言や行動が生まれてきます。当然のことですが、自尊心が高い人は、他者の自尊心も大切にします。
しかし統計によると、私たちの思考の80%はネガティブな思考だと言われています。そこで必要になってくるのが、日々の思考トレーニングです。
まずは他者の長所を発見することから始めましょう。本当は、長所しか見ないことが理想的です。その積み重ねが自分自身の長所に気付くことにつながっていきます。テニスでは仲間の人間性やプレースタイルに興味を持つことからスタートです。試合では相手に敬意を払い、精一杯のプレーを心掛けます。プライドを持って戦う、それがいい戦いの基本です。
生きるマネージメントの中に「愛と矜持」をしっかり育てたいものです。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年6月号から抜粋・再編集
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