「次のラウンドへ…」

　新シーズンの初戦を白星で飾った錦織圭（世界ランク106位）は試合後、自身の公式X（@keinishikori）にそうコメントを綴った。

　錦織が出場したのは「中国銀行・香港テニス・オープン」（2024年12月30日～25年１月５日／中国・香港／ハードコート／ATP250）で、対戦相手は元世界10位のデニス・シャポバロフ（カナダ／現56位）。

　錦織は立ち上がりから安定したサービスを軸にポイントを先行させ相手に隙を与えず。第１セットを6-2で先取すると、その勢いを維持するように第２セットもコートを広範囲にわたりカバーするなど高い守備力も発揮。ここでも相手に３ゲームしか与えずに6-3とし、わずか58分で快勝した。ツアーレベルで錦織が勝利するのは昨年９月の「上海マスターズ」（中国・上海／ATP1000）以来である。

　最高のかたちで2025年シーズンをスタートさせた錦織は試合後、ATP（男子プロテニス協会）のインタビューで「2024年はかなりいい成績で終えることができた。自分が望んでいたようなベストではなかったけれど、それでも、特に今年（24年）最後の大会のチャレンジャー（下部ツアー）で優勝できたことは良かった」と調子が上向いていることを明かす。
  　また、今後の展望として現在の男子テニス界に君臨する若手注目株のヤニック・シナー（イタリア／同１位／23歳）とカルロス・アルカラス（スペイン／同３位／21歳）の存在についても言及した。

「シナーやアルカラスのように、まだ対戦したことのない若い選手もいる。2025年には彼らに挑戦したい。このような若い才能と対戦できることは、私のモチベーションを高めてくれるものだ」とし、さらに「最高レベルの試合でもっと勝つためには、さらに自信が必要。すべての試合を楽しみたい。トップ50の選手と対戦するのは簡単ではないけど、いつもと同じ情熱を持っているし、たくさん練習している」

　いよいよスタートした「次のラウンド」。昨年12月29日に35歳を迎えた錦織は、度重なるケガによる戦線離脱を乗り越え迎え、さらなる高みを目指し歩を進める。

　今大会の次なる相手は第３シードの元世界８位のカレン・ハチャノフ（ロシア／現19位）。通算戦績は錦織が４勝２敗とリードするが、果たして５勝目を手に入れるのか。その戦いぶりに注目が集まる。

構成●スマッシュ編集部

【動画・画像】開幕戦を快勝した錦織の「香港テニスOP」初戦ハイライトと錦織が公開したX

【関連記事】錦織圭が2025年３月までの出場予定を一挙公開！香港から始まり、デ杯、マイアミなど全７大会＜SMASH＞

【関連記事】デ杯英国戦、西岡、錦織らの上位陣に加え、ダブルス要員の柚木が初の日本代表入り。「向かっていく姿勢で戦う」と添田監督＜SMASH＞