2025年の男子テニスツアー開幕戦「中国銀行・香港テニス・オープン」(2024年12月30日~25年1月5日/中国・香港/ハードコート/ATP250)は現地5日にシングルス決勝が行なわれ、度重なる故障からの完全復活を期す元世界ランク4位の錦織圭(現106位)が登場。ノーシードのアレクサンドル・ミュラー(フランス/同67位)と対戦したが、6-2、1-6、3-6で敗れ、惜しくもツアー13勝目を逃した。
昨年3月に足首のケガから約8カ月ぶりのカムバックを遂げた35歳の錦織は、香港オープン初出場となった今大会に本戦ワイルドカード(主催者推薦)で参戦。デニス・シャポバロフ(カナダ/元10位/現56位)、カレン・ハチャノフ(ロシア/元8位/現19位)、キャメロン・ノーリー(イギリス/元8位/現49位)の3人の元トップ10選手を破ると、準決勝は対戦相手のシャン・ジュンチェン(中国/50位)の途中棄権により決勝へと駒を進めていた。
ミュラーとの初顔合わせとなった決勝、錦織は第2ゲームでブレークポイントを与えながらもセーブ。すると第5ゲームでは持ち前の強力なストロークを軸にブレークチャンスを作り、最後は伝家の宝刀バックハンドのダウンザライン・ウィナーを決めてリードを奪う。勢いに乗る錦織は第7ゲームでも得意のリターンから形を作って2度目のブレークを獲得し、次のゲームをきっちりとキープして第1セットを先取した。
しかし第2セットは一転、ギアを上げてきたミュラーのキレのあるプレーに錦織は苦戦。第4ゲームでは相手の鋭いリターンに手を焼いて先にブレークを許してしまう。その後もポジションを上げて攻めてくるミュラーに押され、第6ゲームでもブレークを喫してセットオールに持ち込まれた。
ファイナルセットも錦織がラリー戦で先にミスをする展開が増え、第3ゲームでは15-40と2本のブレークポイントを握られる。ここは粘りのプレーを見せてピンチを脱したが、第7ゲームではセカンドサービスを叩かれて痛恨のサービスダウン。流れを引き戻せないまま迎えた第9ゲームでも度重なるエラーでブレークを献上し、1時間44分で力尽きた。
あと一歩のところで2019年1月の「ブリスベン国際」(ハード/ATP250)以来約6年ぶりのツアータイトルを逃した錦織だが、大会後に更新される世界ランキングでは約2年半ぶりとなるトップ100復帰が確定(74位付近まで浮上)。試合後の表彰式ではファンや大会への感謝の言葉を交えつつ、充実の表情で今大会を振り返った。
「皆さん、今日の試合に来てくれてありがとう。とても楽しくプレーできたし、初めて出場したこの大会で決勝まで進めたのはうれしかった。本戦でプレーするチャンスを与えてくれたトーナメントディレクターに感謝の気持ちを伝えたい」
そして最後には、5試合全てで逆転勝ちを収めて念願のツアー初優勝を手にしたミュラーをこう称えた。「アレックスと彼のチームを祝福したい。来週も彼がオーストラリアで良い1週間を過ごせることを願っている」
敗れはしたものの、苦しい試合を勝ち抜いて決勝までたどり着いたことは錦織にとって大きな収穫となったはずだ。1週間後に開幕を迎えるシーズン最初の四大大会「全豪オープン」(1月12日~26日/オーストラリア・メルボルン/ハード)でも奮闘を期待したい。
文●中村光佑
【動画】香港オープン決勝、錦織とミュラーが見せたスーパーショット!
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昨年3月に足首のケガから約8カ月ぶりのカムバックを遂げた35歳の錦織は、香港オープン初出場となった今大会に本戦ワイルドカード(主催者推薦)で参戦。デニス・シャポバロフ(カナダ/元10位/現56位)、カレン・ハチャノフ(ロシア/元8位/現19位)、キャメロン・ノーリー(イギリス/元8位/現49位)の3人の元トップ10選手を破ると、準決勝は対戦相手のシャン・ジュンチェン(中国/50位)の途中棄権により決勝へと駒を進めていた。
ミュラーとの初顔合わせとなった決勝、錦織は第2ゲームでブレークポイントを与えながらもセーブ。すると第5ゲームでは持ち前の強力なストロークを軸にブレークチャンスを作り、最後は伝家の宝刀バックハンドのダウンザライン・ウィナーを決めてリードを奪う。勢いに乗る錦織は第7ゲームでも得意のリターンから形を作って2度目のブレークを獲得し、次のゲームをきっちりとキープして第1セットを先取した。
しかし第2セットは一転、ギアを上げてきたミュラーのキレのあるプレーに錦織は苦戦。第4ゲームでは相手の鋭いリターンに手を焼いて先にブレークを許してしまう。その後もポジションを上げて攻めてくるミュラーに押され、第6ゲームでもブレークを喫してセットオールに持ち込まれた。
ファイナルセットも錦織がラリー戦で先にミスをする展開が増え、第3ゲームでは15-40と2本のブレークポイントを握られる。ここは粘りのプレーを見せてピンチを脱したが、第7ゲームではセカンドサービスを叩かれて痛恨のサービスダウン。流れを引き戻せないまま迎えた第9ゲームでも度重なるエラーでブレークを献上し、1時間44分で力尽きた。
あと一歩のところで2019年1月の「ブリスベン国際」(ハード/ATP250)以来約6年ぶりのツアータイトルを逃した錦織だが、大会後に更新される世界ランキングでは約2年半ぶりとなるトップ100復帰が確定(74位付近まで浮上)。試合後の表彰式ではファンや大会への感謝の言葉を交えつつ、充実の表情で今大会を振り返った。
「皆さん、今日の試合に来てくれてありがとう。とても楽しくプレーできたし、初めて出場したこの大会で決勝まで進めたのはうれしかった。本戦でプレーするチャンスを与えてくれたトーナメントディレクターに感謝の気持ちを伝えたい」
そして最後には、5試合全てで逆転勝ちを収めて念願のツアー初優勝を手にしたミュラーをこう称えた。「アレックスと彼のチームを祝福したい。来週も彼がオーストラリアで良い1週間を過ごせることを願っている」
敗れはしたものの、苦しい試合を勝ち抜いて決勝までたどり着いたことは錦織にとって大きな収穫となったはずだ。1週間後に開幕を迎えるシーズン最初の四大大会「全豪オープン」(1月12日~26日/オーストラリア・メルボルン/ハード)でも奮闘を期待したい。
文●中村光佑
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