F1レッドブルの角田裕毅は、来季テスト兼リザーブドライバーへの降格が決定した。F1公式サイトによれば、「ほとんど後悔はしていない」と前向きなコメントを残しつつも、自身のなかで“２つの悔い”を抱えているようだ。

　英専門メディア『The Race』が現地12月４日に配信した記事によると、角田は今シーズン第２戦終了後にレッドブルに昇格した際、古巣レーシングブルズのマシンを降りざるを得なかったことを今でも悔いているという。

「後悔しているのは、VCARBであの素晴らしいマシンを逃した点。まるで愛しい我が子を捨てるような気持ちだ。というのも、このマシンは現在のレギュレーションができて以来、チームと共に長年かけて開発してきたマシンだから。きっと私のDNAも刻まれているはずだ」

「だからあのマシンから降り、最終的に目指していたレベルに到達できないままシーズンを終えてしまったのは、今でも寂しい。でも同時に、あの決断（レッドブル移籍）を後悔しているわけではないよ」
  　また、第７戦エミリア・ロマーニャGP予選Q1でアップデートしたばかりのマシンを大破した大クラッシュについては、「とても悔しい。あのクラッシュは全く不必要だった」とコメント。「パーツの面で後退せざるを得なくなったのは確かだ」とその影響の大きさを振り返った。

　実際、序盤でマシンへの適応を見せていた角田は第７戦終了時点で10ポイント（うちレッドブルで７ポイント）と、元僚友アイザック・ハジャー（レーシングブルズ）の７ポイントを上回っていた。しかし、アップデート投入が遅れるにつれて苦戦。一方のハジャーはレーシングブルズのマシン「VCARB 02」で３位表彰台を獲得（オランダGP）するなど大活躍し、角田のシートを奪った。

　マシンの性能次第で成績が大きく変わるモータースポーツの世界。１シーズンで２チームを経験した角田だからこそ、その重要性を痛感している。

構成●THE DIGEST編集部

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