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フィギュア

17歳・中井亜美、初出場GPファイナル銀メダル “憧れの人”の前で大技トリプルアクセル成功、ミラノ五輪に前進「近づきすぎなくらいに…」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.12.07

17歳の中井亜美。FSで躍動し、初の表彰台に立った。写真:永島裕基

17歳の中井亜美。FSで躍動し、初の表彰台に立った。写真:永島裕基

 フィギュアスケートの世界一決定戦「グランプリ(GP)ファイナル2025」は12月6日に名古屋・IGアリーナで女子フリーが行なわれ、17歳の中井亜美が銀メダルを獲得。初出場で表彰台に立つ快挙を飾った。会場には中井が「憧れ」だという大物スケーターが来場し、日本女子フィギュア界の新鋭に拍手を送る場面があった。

 現役女子高生が堂々のパフォーマンスだ。ショート3位(73.91点)で折り返した勝負のフリーは冒頭でトリプルアクセルに挑戦。鋭い回転でバシっと降りると、会場は大きな拍手に包まれた。

 ショートでは着氷が乱れた大技を決めて勢いに乗った中井は、そのあとも躍動。後半のルッツ+トウループの連続3回転では最初のルッツで転倒してしまうが、すぐに次のジャンプでコンビネーションを付けてリカバリー。ミスを最小限にとどめて合計220.89点をマーク。初出場ながら表彰台を確定させると、キスアンドクライで涙を流して喜んだ。
 
 スタンドには2010年バンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央さんの姿があった。中井が5歳でフィギュアスケートを始めたきっかけが、浅田さんの代名詞であるトリプルアクセルをテレビで見たことだった。果敢に大技に挑戦する浅田さんの姿に感動し、自らもトリプルアクセルに挑んだという。そんな憧れの人が観戦する前で、自身のストロングポイントになった大技を成功させると、浅田さんも拍手を送った。

 今大会は「オリンピック代表選考対象大会」に位置付けられ、上位2位以内に入れば来年2月に開幕するミラノ・コルティナ五輪の日本代表(男女シングルはともに代表3枠)に大きく近づく重要な一戦。4人出場した日本女子の中で最上位の2位に入った中井は試合後、「近づきすぎなぐらいに近づいた(笑い)。本当にいいのかな」と率直な感想をこぼすほど、憧れだったオリンピック出場が現実的な目標になった。「プレッシャーに負けないぐらい、自分を強く持っていきたい」と冷静にコメント。夢舞台をはっきり視界に捉えた。

 大会開幕前は「失うものは何もない」と挑戦者の気持ちで挑んだGPファイナル。“憧れの人”が歩んだオリンピックの舞台へ、女子高生スケーターが一歩前進した。

▼GPファイナル 女子シングル結果(カッコ内はフリー得点)
優勝 アリサ・リウ(アメリカ) 222.49点(146.70)
2位 中井亜美 220.89点(146.98)
3位 坂本花織 218.80点(149.40)
4位 アンバー・グレン(アメリカ) 211.50点(144.65)
5位 千葉百音 210.22点(132.95)
6位 渡辺倫果 207.14点(136.46)

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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