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フィギュア

千葉百音、失意のGPファイナル一夜明けで涙「生死を分ける期間」ミラノ五輪切符懸けた全日本は「背水の陣」と不退転の決意

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.12.07

千葉はFSでミスが相次ぎ最下位に。失意の演技になってしまった。写真:永島裕基

千葉はFSでミスが相次ぎ最下位に。失意の演技になってしまった。写真:永島裕基

 スケート人生を懸けた不退転の決意を誓った。

 フィギュアスケートの世界一決定戦「グランプリファイナル2025」は12月6日に女子フリーが行なわれ、昨季2位の千葉百音は5位に沈んだ。一夜明けでの囲みでは必死に前を向く言葉を残したものの、悔しさは払しょくできず涙を流す場面があった。

 過去にない大きな挫折だった。ショート首位で迎えた勝負のフリーは最終滑走で登場。直前に17歳の中井亜美、世界女王アリサ・リウが表彰台を確定し、大きなプレッシャーがかかったのか、前半に予定したループとサルコウで連続転倒。ミスの少ない安定感抜群の演技は影を落とし、演技直後は呆然とした表情に。リンクを降りた後は濱田美栄コーチに声をかけられるも暗い表情は消えず、フリー(132.95点)は最下位。表彰台を逃し、意気消沈で得点をみつめた。

 翌日、千葉は取材対応のため姿を現した。「反省はしても次のステップに向け悔しがっている暇はない。自分に悔しがる権利もないし、時間もないので」とコメント。必死に気持ちを整理し、失意に終わったフリーを振り返ったが表情はやはり悔しさを引きずったままに見えた。

 今大会は「オリンピック代表選考対象大会」に位置付けられ、上位2位以内に入れば来年2月に開幕するミラノ・コルティナ五輪の日本代表(男女シングルはともに代表3枠)に大きく近づく重要な一戦。勝てば代表入りに大きく前進できたが、本人も動揺してしまうほど狂いが生じた。
 
 五輪切符を懸けた最終選考会は、今月19日に開幕する全日本選手権(東京・代々木第一体育館)。「自分のスケート人生にとって一番、もう生死を分ける期間と言っていいぐらい」と位置づけ、「もう本当に危機感を持ってスケートにすべてを注がないといけない一番大事な時期。覚悟を持って臨むしかない」と決意を示す。大一番まで時間はあまり残されていないが、「背水の陣」と自らに言い聞かせて「自分にしか集中せずに打ち込むしかない。どれだけ自分が死に物狂いで練習して、(代表入りを)手に入れられるかというのが大事」と見据える。

 GPシリーズ2連勝と勢いに乗って臨んだ自国開催のGPファイナル。特別な舞台でどん底を味わった千葉は「ここから這い上がっていくしかない。やるべきことをやって、やりきったと思えるような演技がしたい」と、20歳のスケーターは初の五輪代表入りに強い覚悟を見せた。こぼれ落ちる涙を必死に拭いながら――。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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