スケート人生を懸けた不退転の決意を誓った。
フィギュアスケートの世界一決定戦「グランプリファイナル2025」は12月6日に女子フリーが行なわれ、昨季2位の千葉百音は5位に沈んだ。一夜明けでの囲みでは必死に前を向く言葉を残したものの、悔しさは払しょくできず涙を流す場面があった。
過去にない大きな挫折だった。ショート首位で迎えた勝負のフリーは最終滑走で登場。直前に17歳の中井亜美、世界女王アリサ・リウが表彰台を確定し、大きなプレッシャーがかかったのか、前半に予定したループとサルコウで連続転倒。ミスの少ない安定感抜群の演技は影を落とし、演技直後は呆然とした表情に。リンクを降りた後は濱田美栄コーチに声をかけられるも暗い表情は消えず、フリー(132.95点)は最下位。表彰台を逃し、意気消沈で得点をみつめた。
翌日、千葉は取材対応のため姿を現した。「反省はしても次のステップに向け悔しがっている暇はない。自分に悔しがる権利もないし、時間もないので」とコメント。必死に気持ちを整理し、失意に終わったフリーを振り返ったが表情はやはり悔しさを引きずったままに見えた。
今大会は「オリンピック代表選考対象大会」に位置付けられ、上位2位以内に入れば来年2月に開幕するミラノ・コルティナ五輪の日本代表(男女シングルはともに代表3枠)に大きく近づく重要な一戦。勝てば代表入りに大きく前進できたが、本人も動揺してしまうほど狂いが生じた。
五輪切符を懸けた最終選考会は、今月19日に開幕する全日本選手権(東京・代々木第一体育館)。「自分のスケート人生にとって一番、もう生死を分ける期間と言っていいぐらい」と位置づけ、「もう本当に危機感を持ってスケートにすべてを注がないといけない一番大事な時期。覚悟を持って臨むしかない」と決意を示す。大一番まで時間はあまり残されていないが、「背水の陣」と自らに言い聞かせて「自分にしか集中せずに打ち込むしかない。どれだけ自分が死に物狂いで練習して、(代表入りを)手に入れられるかというのが大事」と見据える。
GPシリーズ2連勝と勢いに乗って臨んだ自国開催のGPファイナル。特別な舞台でどん底を味わった千葉は「ここから這い上がっていくしかない。やるべきことをやって、やりきったと思えるような演技がしたい」と、20歳のスケーターは初の五輪代表入りに強い覚悟を見せた。こぼれ落ちる涙を必死に拭いながら――。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【画像】初出場のグランプリファイナルで見事銀メダルに輝いた中井亜美を特集!
【画像】フィギュアGPファイナル女子シングルで逆転優勝を飾ったアリサ・リウを特集!
フィギュアスケートの世界一決定戦「グランプリファイナル2025」は12月6日に女子フリーが行なわれ、昨季2位の千葉百音は5位に沈んだ。一夜明けでの囲みでは必死に前を向く言葉を残したものの、悔しさは払しょくできず涙を流す場面があった。
過去にない大きな挫折だった。ショート首位で迎えた勝負のフリーは最終滑走で登場。直前に17歳の中井亜美、世界女王アリサ・リウが表彰台を確定し、大きなプレッシャーがかかったのか、前半に予定したループとサルコウで連続転倒。ミスの少ない安定感抜群の演技は影を落とし、演技直後は呆然とした表情に。リンクを降りた後は濱田美栄コーチに声をかけられるも暗い表情は消えず、フリー(132.95点)は最下位。表彰台を逃し、意気消沈で得点をみつめた。
翌日、千葉は取材対応のため姿を現した。「反省はしても次のステップに向け悔しがっている暇はない。自分に悔しがる権利もないし、時間もないので」とコメント。必死に気持ちを整理し、失意に終わったフリーを振り返ったが表情はやはり悔しさを引きずったままに見えた。
今大会は「オリンピック代表選考対象大会」に位置付けられ、上位2位以内に入れば来年2月に開幕するミラノ・コルティナ五輪の日本代表(男女シングルはともに代表3枠)に大きく近づく重要な一戦。勝てば代表入りに大きく前進できたが、本人も動揺してしまうほど狂いが生じた。
五輪切符を懸けた最終選考会は、今月19日に開幕する全日本選手権(東京・代々木第一体育館)。「自分のスケート人生にとって一番、もう生死を分ける期間と言っていいぐらい」と位置づけ、「もう本当に危機感を持ってスケートにすべてを注がないといけない一番大事な時期。覚悟を持って臨むしかない」と決意を示す。大一番まで時間はあまり残されていないが、「背水の陣」と自らに言い聞かせて「自分にしか集中せずに打ち込むしかない。どれだけ自分が死に物狂いで練習して、(代表入りを)手に入れられるかというのが大事」と見据える。
GPシリーズ2連勝と勢いに乗って臨んだ自国開催のGPファイナル。特別な舞台でどん底を味わった千葉は「ここから這い上がっていくしかない。やるべきことをやって、やりきったと思えるような演技がしたい」と、20歳のスケーターは初の五輪代表入りに強い覚悟を見せた。こぼれ落ちる涙を必死に拭いながら――。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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