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フィギュア

「順当な結果だ」全日本取材のため来日中の米フィギュア記者、女子は「サプライズなし」の納得顔ぶれ 今季限りで現役引退選手に労い「これが最後の戦いだと分かっていたから…」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.12.22

ミラノ五輪に選出された左から千葉、坂本、中井。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

ミラノ五輪に選出された左から千葉、坂本、中井。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 2026年ミラノ・コルティナ五輪の日本代表最終選考会を兼ねたフィギュアスケートの全日本選手権が12月21日に全カテゴリーが終了。最終日に行なわれた女子フリーは大会4連覇中の坂本花織が合計234.36点で5連覇を達成。日本女子最多となる3大会連続の五輪代表切符を掴んだ。女子シングルの結果を受け3位だった千葉百音、4位の中井亜美が初めて代表入りした。熾烈な代表入りを懸けた日本女子の激闘に米国の名物フィギュア記者も興奮を隠せなかった。

「今まで見たきた中で最高の競技会のひとつだったよ」

 そう絶賛したのは、国際的なフィギュアスケート解説者ジャッキー・ウォン(米国)氏だ。同氏はグランプリシリーズをはじめ、冬季五輪や世界選手権など多くの国際大会を取材している敏腕フィギュア記者だ。2023年に埼玉で開催した世界選手権も来日している。

 連日、全日本フィギュアを取材し続けたTHE DIGESTは同氏を直撃取材。米識者の目に、日本女子フィギュアのレベルはどう見えたのか。ウォン氏は「技術、芸術性、スケーティングの基礎、そのすべてが非常に高く素晴らしいレベルで繰り広げられた」と絶賛。今大会を経て決定した日本代表の顔ぶれについては「全くサプライズはなかった」と語り、次のように説明する。

「選ばれたのは、戦前私が予想していた通りの選手たちだった。カオリ・サカモト、アミ・ナカイ、モネ・チバはシーズンを通して自分たちの実力を証明し、全日本選手権でも素晴らしい演技を見せた。順当な結果だ」
 
 また今大会は、多くの選手にとってキャリアの集大成となる舞台でもあった。ウォン氏は、今季限りで現役引退を表明した選手たちの演技が特に印象に残ったと話し、「マイ・ミハラ(三原舞依)、ワカバ・ヒグチ(樋口新葉)といったスケーターたちは、これが最後の戦いだと分かっていて、持てる力のすべてを出し尽くした。観客もそれを感じ取っていたし、力強く彼女らを後押ししていた。ユナ・アオキ(青木祐奈)もそのうちの一人だろう。とても素晴らしい光景でした」と目尻を下げた。

 もちろん、前述した選手たちと同じくラスト全日本で3度目の五輪代表を射止めた日本のエースの演技も「素晴らしかった」と満足気。「日本のファンの前で、カオリ・サカモトのような偉大なスケーターの滑りをこの目で見られたことを本当に嬉しく思う」と、その圧巻のパフォーマンスを称えた。

 普段は自宅で観戦しているという全日本を今回は初めて現地まで足を運んだウォン氏。異国の敏腕記者から見ても、ミラノ・コルティナ五輪の日本女子は最強の布陣といえるかもしれない。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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