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マラソン・駅伝

【箱根駅伝総括】5強予想も、青山学院大が大逆転の“シン・山の神”と見事なピーキングで完勝! 万全なら王者に対抗できた大学は…

酒井政人

2026.01.06

約3分30秒の大差を5区で大逆転。青山学院大を3連覇に導いた黒田。写真:JMPA

約3分30秒の大差を5区で大逆転。青山学院大を3連覇に導いた黒田。写真:JMPA

 前回大会で上位を占めた“5強”を軸に、大混戦が予想されていた第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)。終わってみれば、今年も青山学院大の完勝だった。

 総合成績は、従来の大会記録を3分45秒も短縮する10時間37分34秒。大会史上初の2度目の3連覇を達成し、この12年間で実に9度目の栄冠を掴んだ。続いて國學院大が過去最高の2位に入り、前回11位の順天堂大が3位に大躍進した。往路で2位だった早稲田大は4位。登録選手上位10人の平均タイムが史上初めて27分台に到達した中央大は5位、全日本大学駅伝を制した駒澤大は6位に終わった。

 総合優勝を目標に掲げていた5校の勝負を分けたポイントは、どこにあったのだろうか。

 まず青山学院大の原晋監督による“絶対エース”黒田朝日(4年)の5区起用が、サプライズだったと言えるだろう。そのなかでも黒田の5区出走を予想していた他校の指揮官もいたが、その走りが想定を大きく超えた。

 黒田の5区でのタイムを、駒澤大の藤田敦史監督は「68分前半」、國學院大の前田康弘監督は「68分30秒」と読んでいた。ともに区間記録(1時間09分11秒)の1分近い更新までは予想できていたが、実際の黒田のタイムは1時間07分16秒。ライバル校の指揮官たちの予想を、はるかに上回った。

 
 青山学院大は1区にエントリーされていた荒巻朋熙(4年)が、直前に胃腸炎でダウン。そのため4区の予定だった小河原陽琉(2年)が1区に入り、4区に名を連ねていたものの当日変更で外れる予定だった平松享祐(3年)が、そのまま走ることになった。

 本番では1区で16位と出遅れ、4区終了時で5位まで順位を上げたものの首位だった中央大とは3分24秒差。それでも「3分30秒差なら、何とかしてくれるでしょう」という原監督の言葉通りに、黒田がまるでヒーロー漫画のような“大逆転劇”を演じた。

 黒田は13キロ過ぎに中央大の柴田大地(3年)を悠々とかわして2位に浮上すると、5区歴代3位の記録を持ち「山の名探偵」と呼ばれる早稲田大の工藤慎作(3年)をも19キロ過ぎにあっさりと抜き去る。そしてフィニッシュ後には「往路優勝できてホッとしています。僕がシン・山の神です!」と、満面の笑顔を見せた。

 青山学院大は、復路でも快走を連発する。6区の石川浩輝(1年)と7区の佐藤愛斗(2年)がともに区間3位の好走で首位をキープすると、8区の塩出翔太(4年)が区間新を更新し、続く9区の佐藤有一(4年)も区間賞を獲得。アンカーの折田壮太(2年)は区間記録に9秒差に迫る区間2位の快走で、歓喜のゴールに飛び込んだ。

 2位だった國學院大は、1区の青木瑠郁(4年)が区間新でトップに立ち、7区の高山豪起(4年)が区間記録に迫る激走だった。1年生も主要区間で活躍。5区の高石樹が区間4位、9区の野田顕臣は区間3位だった。総合成績は、大会新の10時間40分07秒の好タイム。悲願の初優勝こそ逃したものの、前田監督は「悔しいですけど、昨年の優勝タイムを上回りましたし、自分たちの力は出し切れたのではないかと思います」と充実の表情を見せていた。
 
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