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“4回転の神”が崩れた夜――絶対王者マリニン、まさかの失速で涙「人生の辛い記憶が一気に蘇った」【冬季五輪】

THE DIGEST編集部

2026.02.15

個人戦フリーの演技を終えて涙を流すマリニン。(C)Getty Images

個人戦フリーの演技を終えて涙を流すマリニン。(C)Getty Images

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートは現地2月13日(日本時間14日)、男子フリーが行なわれ、金メダル最有力候補のイリア・マリニン(米国)がジャンプミスを連発。総合8位に転落し、まさかのメダルなしに終わった。母国メディアでは若きスーパースター撃沈の衝撃余波が後を絶たない。

“クワッド・ゴッド”(4回転の神)と称される無敵の王者が、まさかの失速を喫した。

 マリニンは世界選手権2連覇中、約2年以上“無敗”という圧倒的な実績を引っ提げてミラノ・コルティナ五輪に臨んだ。団体戦では圧巻の演技で米国を優勝へ導き、新王者誕生のムードは最高潮に達していた。そして、個人戦のショートでも圧倒的な強さで首位に立ち、金メダル確実と見られていた。

 しかし迎えたフリーで、異変が起きる。本来最大の見せ場となるはずだった4回転アクセルはシングルアクセルに。序盤で狂いが生じると、以降の4回転も転倒を重ね精彩を欠いた。

 涙を浮かべながら演技を終えたマリニンは総合8位に転落。米誌『Newsweek』によると、マリニンは演技後「人生の辛い記憶が一気に蘇った。ネガティブな思考を処理できなかった」と明かし、心身のバランスを崩していたと認めた。

 マリニンは団体戦でショート、フリー両方で出場。結果的に日本の猛追を逃げ切り、母国の五輪連覇という偉業に大きく貢献したが、今大会はこれが4度目の演技。自身初の五輪出場という重圧もあるなか、やはり負担は相当大きかったことが窺える。
 
 これまで超人のように扱われてきた21歳にとって、「オリンピックはまったく別物だった」と現地メディアに漏らしている。「いつも通りやればいいと思った。でもオリンピックは違った」と振り返っている。

 五輪は一瞬の結果が永遠のイメージとなる残酷な舞台だ。特に今回のマリニンのようなケースは観る者の記憶に強烈なインパクトを残す。それでも、彼の物語は終わらない。2030年フランス・アルプス地方で開催される冬季五輪で雪辱を果たすチャンスは残されている。

構成●THE DIGEST編集部

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